かねてから自民党の“異端児”として歯に衣着せぬ物言いで注目を集めてきた村上誠一郎・衆議院議員(70)。安倍晋三・元首相に関する「国賊」発言で処分されたこともある彼はいま、今後の政治活動についてどのように構想しているのだろうか。(聞き手/ノンフィクション作家・常井健一氏)【全3回の第3回。第1回から読む】
──1986年の衆院選で初当選した自民党の同期は42人もいて、現在は3人しか残っていません。
「石破茂と逢沢一郎と私だけ。一歩も動かないで、野党の不信任決議案にも同調しなかったのは、私一人だけです」
──石破さんは離党して新進党に入った過去があり、逢沢さんは加藤の乱に関与した。村上さんが若手だった頃の1990年代には、自民党から80人以上が離党しました。同期には、鳩山由紀夫さんや武村正義さんら新党さきがけを立ち上げた面々もいましたが、村上さんも誘われました?
「佐川急便も、リクルートも、勝共連合も、幸か不幸かご縁がなかった。新党にも、誰も誘ってくれなかったんだ(笑)」
──結局、小沢一郎さんと岡田克也さんしか、離党組の生き残りはいません。
「岡田は私の妹婿だけど、彼が自民党に戻ってこないから、私がこんなに苦労しているんだよ」
──石破さんは復党組ですが、今後は総理になる目はありそうですか。
「石破とは盟友関係だけど、党を出た過去があることがつらいところだ」
──河野太郎さんは?
「河野君は、安倍さんに大臣にするって言われたら、あっという間に態度を変えたからがっかりした」
──総理候補不在ですね。
「こんど超党派で真面目な議員を20~30人集めて、財政・金融・外交を真剣に考える勉強会をやろうと思っているのよ。YMOで定期的に話し合って」
──Y・M・O?
「山口那津男、村上誠一郎、岡田克也。みんな大学の同期なんだ。2、3か月にいっぺんは3人で会って、10年以上話し合っているの。
財政・金融・外交はみんなで力を合わせなきゃ立て直せません。今は、山口が与党の党首で、岡田が野党の幹事長だけど、お互いいつまでもやっているわけではない。最後はこの国の次世代のために体を張ろう、という話をしている」