戦友のような絆
──その後、2人が出会ったのは?
S男:僕が主催のスワッピングパーティにR子が来たんです。陽気に参加者とキスする彼女を見て、面白い女性だなって。
R子:私はS男の実直な性格やその人柄、参加者たちへの細やかな気遣いなどに自然と惹かれました。
──2人は恋人同士ということなのですか?
R子:違います。もちろん男としての魅力は感じますが単なる恋愛感情ではありません。
S男:同志のような戦友のような、広くて深い絆があると思っています。
──でもS男さんには家庭があって奥様もいますよね。奥様は事件前からS男さんの趣味をご存じだったのですか?
S男:妻は僕の言動でその趣味に薄々と気づいていたかもしれません。しかし妻がこういった場に参加したことは一度もありません。
余談ですが、2000年代にスワッピングの聖地だったのは、今はなき赤プリ(赤坂プリンスホテル)です。毎週末スウィートルームで様々な団体がパーティを開いていました。
R子:私も赤プリのパーティにはS男と出会う前に行ったことがあります。
──浜名湖でスワッピングパーティを開催したのはいつ頃から?
S男:第1回の開催は10年前。きっかけは赤プリに参加していた関西のカップルと「東西のカップルが集う全国大会のような場を設けないか」と話したことです。会場は東西の真ん中に位置する浜名湖にしよう、と。当時は初代の主催者がいて、僕は3年前から3代目の主催者となります。
R子:私もS男が主催者となってからはパートナーとして参加しています。
──今回のように130人ものカップルを集めるのは大変だったのでは。
S男:正確には総勢138人、69組で開催史上最多でした。集めるというより、赤プリ時代からのメンバーやその知り合いが人づてに集うという感じなので、全く知らない人間が参加することはありません。
(後編につづく)
聞き手/河合桃子(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2023年1月27日号