古馬中距離路線の骨っぽい面々が揃った。競馬ライターの東田和美氏が考察した。
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関東で行なわれる今年最初のGⅡ。過去10年、GⅠ連対馬が20頭出走しているが、半数以上が二桁着順に沈んでいる。ピークを過ぎた高齢馬が凡走しているイメージがあるが、2015年にはすでに5勝をあげていながらここで7着に敗れたゴールドシップが、2走後に天皇賞(春)を勝っている。2021年にはオークス2着の実績を引っ提げて出走した4歳馬ウインマリリンが6着。しかし彼女は昨年暮れ、香港ヴァーズを勝ってさらに進化していた。ここで躓いているのはピークを過ぎた実績馬ばかりではない。
同じような距離の先週日経新春杯は、(今年勝ったのは6歳馬ヴェルトライゼンデだったが)過去10年のうち8勝が明け4歳馬だったが、このレースでは2頭のみ。8歳馬が連対したことがあったように、世代にこだわる必要はなさそうだ。
GⅠ連対馬で勝ったのは2020年ブラストワンピースと2021年アリストテレスで、1番人気での勝利もこの2頭だけ。さらに上を狙う馬にしてみると、最大目標までまだまだ遠いこと、さらに馬場状態への不安もあって調整が難しくなっているのだろう。
今年もGⅠ連対馬2頭が出走してくるが、ここではむしろ近走で可能性を感じさせる走りをして賞金をここで積み上げ、GⅠへの挑戦権を獲得したい馬の好走が目立つ。
そういう意味では未勝利勝ちから4連勝中の4歳馬エピファニー。未勝利、1勝クラスの連勝は珍しいことではないし、2勝クラスも素質だけでクリアできることはある。ただし、3勝クラスまで4連勝というのは並大抵のことではない。宮田敬介厩舎は開業3年目の昨年がリーディング27位の31勝、うち14勝が戸崎圭太騎手とのコンビによるもの。その勝率は.350、3着内率は6割に達している。初めての2200mがカギだが中山では2戦2勝、逃げ馬もいるので折り合いもつきそうだ。
そんな展開ならガイアフォースにはもってこい。菊花賞で1番人気に推されながら、終始内に閉じ込められ、勝負どころで抜け出すことができなかった。菊花賞馬にしぶとく競り勝ったセントライト記念と同じコースなら巻き返しがある。