臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、支援物資を届けにデヴィ夫人(82才)がウクライナを訪問したことと、それについて問われた官房長官会見について。
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松野博一官房長官が、2023年1月24日午前に行った記者会見での発言が注目されている。それというのも松野官房長官が記者からの質問に答える形で、全般的な対応として「退避勧告」を呼びかけていると述べたからだ。長官の発言は、その対象を名指ししたものではなかったものの、質問内容からタレントのデヴィ夫人にも呼びかけているかのように受け止められるものだったからだ。
1月23日、デヴィ夫人がウクライナの都市キーウを電撃訪問。ウクライナカラーの青い帽子に黄色のマフラーを身に着け、指先にはウクライナカラーのネイルが施されていた。多くの民間人が虐殺されたという近郊ブチャの病院などを訪れ、防寒着など様々な支援物資を届けた夫人だが、物資が詰まったスーツケースは青や黄色のウクライナカラーだった。
デヴィ夫人のウクライナ訪問について質問された松野官房長官は、「承知している」と表情1つ変えることなく答え、「日本政府としては、ウクライナ全土に避難勧告を出しており、国民に対し、どのような目的であれ、同国への渡航はやめていただくよう、また既に滞在されている方は、安全を確保した上で、直ちに退避していただくよう勧告している」と淡々とした調子で述べた。政府の支援については「国際社会と緊密に連携しながら、ウクライナの人々への人道支援を重視し、寄り添った支援を実施していていく」と用意した書面を読んだのか、視線を落としたままだった。
一時は”デヴィ夫人”がトレンド入りするほどで、ネットには様々な意見が溢れていた。その多くはデヴィ夫人の行動力を賞賛するものだ。82歳という高齢ながら、国際慈善家と名乗るだけあり夫人の行動力はすごい。『世界の果てまでイッテQ! 謎解き冒険バラエティ』(日本テレビ系)などで見せてくれるチャレンジ精神やバイタリティを思えばそれも頷けるが、訪問先はいつ攻撃を受けるかわからない危険な場所である。