ツイッターで中傷した男の有罪判決後に記者会見する左から松坂大輔弁護士、松永拓也さん、一般社団法人 関東交通犯罪遺族の会代表理事・小沢樹里さん

ツイッターで中傷した男の有罪判決後に記者会見する左から松坂大輔弁護士、松永拓也さん、一般社団法人 関東交通犯罪遺族の会代表理事・小沢樹里さん

自分がSNS中傷の加害者になることも?

 SNSでの誹謗中傷と聞くと、まず自分が被害者になってしまう危険について考えがちだが、誰でも加害者になる可能性もあることを忘れてはならない。悪意があるかないかに関わらず、SNSでは誹謗中傷にあたる発信をしてしまいがちだ。

「SNS上での誹謗中傷は、相手を傷つける意図のもとで書いたり、悪ふざけの延長として書かれたりするものだけではなく、誤った情報に触れるなどし、ある人を攻撃することが正義だと信じて行われる行為もあります。そのような行為を予防するには、ネット上で触れる情報の信用性を慎重に判断することと、さらに言えば自分の目で見たこと以外は容易に信じてはならないという意識を持つことが重要だと思います。もちろん前提として、その人に面と向かって言えないようなことはSNSでも書かないという意識でいた方がよいと思います」(松坂弁護士)

 よくネット上では、SNSでもDM(ダイレクトメール)なら相手にしか見えていないのだから、何を言っても侮辱罪にはならないという、根拠がよくわからない意見がたびたび見られる。この風説は、鵜呑みにしてよいのだろうか? 

「不特定又は多数人が認識しうることが侮辱罪が成立するための要件ですが、直接に認識する人だけでなくそれが不特定または多数人に伝わる可能性があるときには成立しえますので、メンバーが限定されているとか、DMであるとかの事情があったとしても侮辱罪が成立する可能性はあります。『公然と』ではないとして侮辱罪が成立しないときでも、記述の内容次第で、たとえば脅迫罪などの犯罪が成立しえますので、相手の人格を尊重するという意識は常に持っておく必要があると思います」(松坂弁護士)

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