この先の人生がかかった“就職活動”
実際にプロ野球で活躍するアンパイア・スクール卒業生にも話を聞いた。2021年4月16日の阪神-東京ヤクルト戦に球審として初出場し、投球が3度ぶつかるアクシデントに見舞われるが、無事に務めあげた、水口拓弥氏(審判員袖番号54)はこう振り返る。
「高校時代は部員が100人以上いて試合に出られず、審判をする機会が多かったです。卒業後に審判への道を本格的に志すようになり、NPBアンパイア・スクールに応募しました。私は1期生として入学しましたが、この先の人生がかかった“就職活動”でもあったので、無我夢中でした。合格を聞いたときは本当にうれしくて、さらにやる気がみなぎりました。
今回のスクールでは、私もインストラクターとして受講生の指導に携わりました。講習に際しては、どんな質問にもすぐに答えられるよう、あらためてルールの復習をしたりします。受講者の方は皆さん野球が大好きで、やる気を前面に出して取り組んでいるので、私も指導しながら刺激を受けています。一緒に球界を盛り上げてくれる方に、ぜひご参加いただければと思っております」
取材・文/常井宏平
※週刊ポスト2023年2月24日号