ビジネス

国民負担率増加中 「減給なし贅沢なし」中間層の会社員は嘆くしかないのか

日本の正社員の平均給与は508万円、正社員以外で198万円(イメージ、時事通信フォト)

日本の正社員の平均給与は508万円、正社員以外で198万円(イメージ、時事通信フォト)

 国民の全所得に対する税金と社会保障負担の合計額の割合である「国民負担率」が上がり続けている。細かい増減はあるものの、増加傾向は何十年も続いている。だからといって、かつてより福祉が充実している実感もなく、使えるお金も減り続け、日々の生活が苦しくなったと感じている人の方が多いだろう。俳人で著作家の日野百草氏が、消えゆく中間層の本音を聞いた。

 * * *
〈令和5年度の国民負担率を公表します

令和5年度の国民負担率は、46.8%となる見通しです

国民負担に財政赤字を加えた潜在的な国民負担率は、53.9%となる見通しです

令和5年2月21日

財務省〉

 以上、財務省のホームページに掲載されている一文である。見ての通り国民負担率の発表だが、2023年度の国民負担率は46.8%、潜在的国民負担率は53.9%の見通しである。ホームページには財務省のロゴの下に「国の信用を守り、希望ある社会を次世代に引き継ぐ」というキャッチフレーズが添えられている。またFacebookの「いいね!」ボタンもあるが、なんだか「いいね!」しづらいような。Twitterのツイートボタンもあるのでたどると「五公五民」「生かさず殺さず」「収入の半分なくなる」といった声が並ぶ。

 筆者は2022年から他の取材と並行して「手取りが減った」「使えるお金が減った」「貯金ができなくなった」といった声を聞いてきた。親しい知り合いも友人も大半はそうで、とくにサラリーマン(以下、被雇用者の総称として便宜上使う)が厳しいように思う。

 日本の正社員の平均給与は508万円、正社員以外で198万円(国税庁・2022年度)だが、年々使えるお金が減っているために生活を「レベルダウン」するサラリーマンも増えている。とくに中高年層は昼食を切り詰め、趣味を控え、生活の見直しを図らざるを得ない状況に陥っているケースが散見される。わずかな昇給では追いつかないほどに。実際、大手自動車系調査機関の調べ(2022年)でも「生活が苦しくなった」と答えるサラリーマンは7割を超えた。

減給されてないし贅沢を始めたわけでもないのにお金が貯まらない

 独身、既婚含めて30代から50代までの現役サラリーマンの声を紹介する。

「まず食事を見直しました。オフィス街に来る500円弁当で済ましています。若いころ、10年くらい前はコンビニで好きなもの買ったり、ランチに1000円とか使ってたんですけどね。減給されてないし贅沢を始めたわけでもないのにお金が貯まらなくなってきたんで。副業禁止ですから給与だけが頼みの綱なのに、こんな人生がこれからも続くと思うと怖いですね」(30代後半、事務)

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン