前出のスポーツ紙記者は、「秋広はあまりの量に、『もう無理……』とこぼしていたみたいです。中田からすれば一本立ちしてほしいという思いがあるのでしょう。決して強要しているわけではないし、秋広も肉体を分厚くしなければいけないと考えている。まだ20歳と若いですし、さらに体が大きくなるのでは」と期待を込める。
ただ、この肉体改造には否定的な見方もみられる。プロ野球、Jリーグの選手などアスリートの体調管理に携わる栄養士は表情を曇らせる
「秋広選手の増量のやり方は危険です。炭水化物ばかりに偏ると、余ったエネルギーは中性脂肪になり体のキレが失われていく。基礎代謝が高いなら練習中の食事、捕食などが体重をキープする上で大切になってくる。中田選手に非はありませんが、太らない体質の人にこの食生活は体に大きな負担が掛かる。球団の管理栄養士が容認しているのか気になります。選手個々で体質が違うし色々な事情があるのかもしれませんが、ちょっと心配ですね」
かつてのプロ野球では痩せやすい選手が体重を増やすために、朝から夜まで丼ものやファストフードを食べていたことが珍しくなかったが、近年では、体質に合った食材や栄養素を科学的に調べて食生活に取り組むケースが主流となっている。
秋広の昭和気質の「爆食トレ」は吉と出るか──。2軍に降格したが、未来がある若手だけに、増量への取り組みが裏目に出ないことを願うばかりだ。