3月13日以降、マスク着用のルールが緩和される。「個人の主体的な選択を尊重する」と厚労省は呼びかけるが、突然の“仕様変更”に戸惑いを覚える人も少なくない。マスクを外すか、外さないか。各界の著名人に話を聞いた。【前後編の後編。前編から読む】
「最後の1人になってもマスクは着ける」と言い切るのは、漫画家のやくみつる氏だ。
「前日の12日が誕生日で、64歳になります。前期高齢者の一歩手前のタイミングで、個人の判断に委ねられるのは、“マスク着用を続けろ”という天啓じゃないかと。屋外であろうとなかろうと、マスクを着け続けますよ。
先日、電車に乗ったらマスクを外している人がいましたが、そういう人に限って大声で話すので口に栓したくなりました」
俳優の梅沢富美男氏は「おおっぴらに外せると嬉しい」と言うが、自身は着用を続けるという。
「万が一、人にうつしたらというのもあるし、年齢や仕事を考えると感染したら多大な迷惑をかけてしまう。自分の気持ちだけでは外しにくいですね。外しているのは屋外で人との距離があったり、映画館や劇場でも空いている場合。舞台では白塗りしているから自動的にノーマスクですね」
コロナ禍よりも前から飛行機や新幹線移動でマスクを着けていたのが、野球評論家の達川光男氏。
「軽いアレルギー性鼻炎と口を開けて寝るクセのせいで、マスクを着けないと口の中がパサパサ。だから選手の時からマスクは慣れたものです。言っておくけどキャッチャーマスクじゃないからね」
おどけてみせる達川氏だが、野球指導の話になると本音が漏れる。
「高校野球の指導もしているけど、グラウンドではマスクを外したい。口元が見えたほうが選手たちも理解しやすいし、声が届く。でも、昨年のセンバツでは私の母校・広島商が選手のコロナ感染で、2回戦の大阪桐蔭戦を辞退せざるを得なかった。だから監督の意向でマスクを着けるか否かは臨機応変に決めている」