芸能

大河『光る君へ』に出演するファーストサマーウイカ、清少納言はハマり役になるか?時代劇研究家の見解

ウイカ

ファーストサマーウイカが清少納言役に

 2024年に放送される大河ドラマ『光る君へ』。吉高由里子が紫式部を演じることでも話題だが、時代劇研究家のペリー荻野さんが注目するのは清少納言を演じるファーストサマーウイカ。ペリーさんがその見どころについて解説する。

 * * *
 近年、大河ドラマは、少しずつ追加キャストが発表されるのが恒例になっているが、来年の大河『光る君へ』のキャスト発表で注目されたのが、清少納言役のファーストサマーウイカだ。

『光る君へ』の主人公は、紫式部(吉高由里子)。その生涯ははっきりわかっていない点も多いが、ドラマの中では下級貴族で学者の父の影響を受け、高い教養を身に付けた女性として描かれる。年上の夫の間に子どもを授かるが、夫とは死別。その頃、書き始めた『源氏物語』の評判を聞いた最高権力者・藤原道長(柄本拓)に頼まれて、彼の長女で一条天皇の中宮・彰子に仕え始めると、『源氏物語』は宮中でベストセラーになる。

 一方、清少納言は歌人である清原元輔の娘で、和漢の学問に秀でた才女だった。彼女も一度結婚し、一子をもうけたが、離婚。その後、再婚して娘をもうけている。その活躍が輝くのは、正歴年間(990~995年)、一条天皇の中宮で後に皇后となった定子に仕えた時代だ。清少納言を世に出すきっかけを作ったのが、定子の兄、藤原伊周(これちか)だった。

 つまり、一条天皇の中宮であった彰子には、紫式部&藤原道長が、定子には清少納言&藤原伊周がバックについていたことになる。わかりやすいライバル関係だ。

 伊周は、八歳年上の道長とは叔父と甥っ子の関係だが、なんたって伊周は、藤原嫡流の若様。あっという間に道長を追い越して、内大臣にまで昇進してしまった。容姿端麗で、清少納言は月夜の晩に彼に声をかけられただけで大喜びしたとか。

 道長は、彼に対して闘争心を燃やし、「命中したら関白の地位につく!」と矢を放って的に命中させたとか、靴の裏に伊周と書いて踏んづけて歩いたとか、すさまじい伝承が残っている。そして、紫式部が『紫式部日記』に「清少納言こそしたり顔…」などと、けなしているのは、有名な話。おまけに清少納言は、藤原道長を「いい男」と思っていた節があるのである。定子が「例の思い人」などとからかったというんだから、かなり本気だったのかも。紫式部に知られたら、即呪詛間違いなし!

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
第三者委員会からハラスメント被害が蔓延していたと指摘されたフジテレビ(右・時事通信フォト)
《フジテレビの“あしき習慣”》古くからあった“女子アナ接待”の実態、仕切りは人気ドラマのプロデューサー スポーツ選手との関係構築のため“利用”するケースも
NEWSポストセブン
マンジャロは腹部に注射する
《美容クリニックで流行》糖尿病治療薬を使った“GLP-1ダイエット”に専門医が警鐘「安全性が不明」「医療倫理的に問題ある」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
【独自】「弟がやったことだと思えない…」中居正広氏“最愛の実兄”が独白30分 中居氏が語っていた「僕はもう一回、2人の兄と両親の家族5人で住んでみたい」
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
新田恵利(左)と渡辺美奈代があの頃の思い出を振り返る
新田恵利×渡辺美奈代「おニャン子クラブ40周年」記念対談 新田「文化祭と体育祭を混ぜたような感覚でひたすら楽しかった」、渡辺「ツアーも修学旅行みたいなノリ」
週刊ポスト
新政治団体「12平和党」設立。2月12日、記者会見するデヴィ夫人ら(時事通信フォト)
《デヴィ夫人が禁止を訴える犬食》保護団体代表がかつて遭遇した驚くべき体験 譲渡会に現れ犬を2頭欲しいと言った男に激怒「幸せになるんだよと送り出したのに冗談じゃない」
NEWSポストセブン
公的年金は「社会的扶養」「国民の共同連帯」「所得再分配機能」(写真提供/イメージマート)
《まるで借りパク》政府の基礎年金(国民年金)の底上げ案 財源として厚生年金を流用するのは「目的外使用」ではないのか、受給額が年間8万円以上減額も
NEWSポストセブン
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト