今回のドラマの清少納言は、才気にあふれ、定子に対して心から忠誠を尽くす女性として描かれる。とはいえ、ファーストサマーウイカは、トーク番組では「ガンを飛ばすクセがある」「ナメられたくない」「人に前を歩かれるのが嫌」などと発言。ドラマ「ファーストペンギン」で、主人公(奈緒)に「てめぇに売る魚なんかねえんじゃ!!」「ボケナス!!」と目をむいて言い放ち、視聴者をビビらせた。
紫式部が彰子の宮中サロンに君臨するのは、清少納言が去って数年後のことなので、ふたりが宮中で直接バトルを繰り広げたことはなかったらしいが、仲間由紀恵の大河ドラマ『功名が辻』、北川景子の『家売るオンナ』など一筋縄ではいかない女の人生を描いてきた大石静脚本が、ファーストサマーウイカのキャラクターをとことん活かさないはずはない。
実は映像作品で清少納言はあまり描かれてこなかった。有名なのは映画『千年の恋 ひかる源氏物語』(2001年)の森光子で、世の中のすべてを知るような包容力のある清少納言であった。大女優のあとを継いで令和の清少納言になるファーストサマーウイカがどう動くか。これもドラマのカギになる。