帽子の「H」は南海と同じフォント
高校野球のユニフォームは上下の色が異なるツートンカラーは禁止とされているが、使用する色については規定がない。つまり、何色を使ってもいい。
「赤を基調としたのは、福井に赤のユニフォームが一校もないのが理由でした」
制作したミズノ社と幾度もやりとりをして、細かなデザイン変更を繰り返しながら固めていったという。今回のセンバツでは、話題となった神宮大会の時のデザインよりも、下地のアイボリーをより濃くした新デザインで臨む。
「あまりに濃くなると、(同じ北陸に位置する石川の)星稜に似てしまうので、そこは避けました。ちなみに、帽子の『H』のフォントは、南海ホークスと同じです」
近年、甲子園を彩った異色のユニフォームといえば、下関国際(山口)だろう。「往年のヤクルトのユニフォームを思い出す」と口にする人もいれば、「胸文字のデザインが(スポーツ用品店の)ゼビオそっくり」という人もいるド派手なユニフォームの下関国際ナインは、昨夏の甲子園では大阪桐蔭を破り、準優勝に輝いた。
下関国際に続く躍進を期待したい北陸高校は昨秋、福井大会3位ながら、北信越大会を制し、明治神宮大会でも準決勝に進出した。エース右腕の友廣陸(ともひろ・りく)はMAX142キロで、制球力が持ち味の好投手だ。今大会は県内のライバルである敦賀気比とのアベック出場となる。ユニフォームと共に大きな話題を呼ぶはずだ。
◆取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)