日本人はきれいな野菜を選びがち(写真/PIXTA)

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欧米では虫食いの野菜は無農薬の証だとして人気が高い(写真/PIXTA)

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 キャベツのビタミンCは、外側のやわらかい部分の方が多い。一方、芯にはミネラルが多いため、どちらもムダにせず食べてほしい。

「キャベツの芯はスライスすれば食べられます。一方、白菜は内側の方が栄養が豊富。芽のように伸びてくる部分がどんどん栄養を吸収するので、真ん中から食べるようにしてほしい。

 にんじんのビタミンAやトマトのリコピンなどの脂溶性ビタミンは、油と一緒に摂ると吸収率がアップします。オリーブオイルであえたり、オイルの使われたドレッシングをかけるといいでしょう。リコピンは加熱によっても吸収率が上がるので、生よりも火を通す方がおすすめです」

 トマトは、実は生よりも缶詰の方が栄養価が高いとされる。缶詰は旬の時期に収穫され、加工されているためだ。同様に、冷凍野菜も旬の時期に収穫されているため、栄養価は生の野菜とそん色ない。

「冷凍野菜は、解凍したときに出る水分の中に水溶性の栄養素が流出してしまいます。調理に使う際は、凍ったまま鍋やフライパンに入れること。カット野菜は生の野菜と比べると栄養素が3割ほど失われていると言われていますが、ゼロになっているわけではありません。足りない野菜を補ったり、手軽に野菜を摂るためには、カット野菜を使うのも有効な手段だと言えます」

 それでも、日本人の野菜不足、栄養不足は深刻だ。最後の手段は、足りない栄養をサプリメントなどで補うこと。だが、サプリメントも選び方にポイントがある。

「足りない栄養素をサプリメントで補うのは、もちろん有効です。ただし、ビタミンCだけが入ったサプリメントをのむよりも、りんごを1つ食べた方が、抗酸化活性が高いという研究があります。さまざまな栄養素が複合的に働くことで、ビタミンCだけを摂るよりも高い抗酸化力が得られるのです。

 野菜に限らず、食べ物の栄養素は互いに作用し合っており、そのバランスが大切。サプリメントで栄養を補う場合も、特定の有効成分だけを抽出したものより“天然由来”“マルチサプリ”と表記のあるものの方が、自然の食材に近いパフォーマンスを発揮してくれるでしょう」(桐村さん)

 ムダなく栄養を摂るには、野菜も「一物全体」と心得て。

※女性セブン2023年3月30日・4月6日号

野菜の鉄分、ビタミンCはこんなに減っている

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野菜の栄養を“最大化”する食べ方

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