イーロン・マスクに腕を見込まれた
一体、水野氏とはどんな人物なのか。全国紙経済部記者はこう言う。
「大阪市立大学法学部卒業後、住友信託銀行に入社。2015年から年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事兼CIO として、投資の拡大を進めていました。2020年に退任後、テスラの社外取締役と監査委員に就任しています。
水野氏がGPIF時代に空売りなどの市場慣行に異議を唱え、空売りに利用される外国株レンディング(貸株)を停止すると発表したことが、テスラに腕を見込まれたきっかけだったようです。この貸株により、空売りの標的にされてきたイーロン・マスク氏は、長年空売りをする投資家への敵意を露わにしてきましたから。
さらに、テスラの社外取締役に就任した年の5月には経産省の参与にも就任しています。官邸に『脱ガソリン車』の政策を進めるよう促し、当時の菅義偉首相が『2035年までに新車販売で電動車100%を実現する』とぶち上げたきっかけになったとも言われているのです」
なぜこのような立場の人が、Twitterで直接峯村氏に“噛みつく”ようなことをしたのか。水野氏に聞いたが、締め切りまでに回答は得られなかった。
峯村氏にこの騒動について聞くと、こう語った。
「水野さんからTwitterでコメントが来た時は、とにかくびっくりしました。あくまでテスラのレンタカーに乗った感想を事実のまま淡々と書いただけだからです。そもそも私は水野さんのことを知らなくて、テスラ関係者であるとも初めは分かっていなかった。後から知人に『(あのコメントをしたのは)テスラの社外取締役の人だよ』と教えてもらって、まさかそんな立場の人が直接ああいったコメントしてくるなんて驚きました」