原監督の長期政権で、気になるのは「チームの未来」が見えてこないことだ。坂本、丸、中田翔、梶谷隆幸と野手陣の主力は30代半ばで、若手が育っていない。20代の主力は岡本和真と吉川くらいで、昨年頭角を現した増田陸、ドラフト2位の萩尾匡也、和製大砲の秋広優人はいずれも開幕2軍スタート。ドラフト4位の門脇、高卒3年目の中山もオープン戦で好成績を残してアピールしたにも関わらず、開幕後は結果が出ないと即座に途中交代や翌日のスタメンから外されている。代打も長野や松田ばかり起用されている。リーグ3連覇を狙うヤクルト・高津臣吾監督が濱田太貴、丸山和郁、内山壮真ら若手に我慢強くチャンスを与えている姿とは対照的だ。
スポーツ紙デスクは、「原監督は大型補強で獲得した選手たちを操る能力は高いですが、育成手腕に秀でているわけではない。『一昔前のオールスターのメンバー』で戦う陣容は、伸びしろを感じません。自分に異を唱えるコーチが次々にいなくなり、周りをイエスマンで固めているのでチーム全体に閉塞感が漂っている。いまの巨人の戦力だと、原監督の采配では限界ではないでしょうか。今年が3年契約の2年目だが、巨人ファンの心も離れていっている。このままでは優勝争いに食い込むことすら厳しいと思います」と指摘する。
まだ開幕して10試合。悲観する必要はないかもしれないが、逆風は強まっている。巻き返しを図る上で、原監督がどのような策を講じるか注目される。