ペナント奪還を目指す巨人だが、2023年シーズンのスタートダッシュに苦戦している。今シーズンの原辰徳監督(64)は、打撃不振にあえぐ坂本勇人(34)や丸佳浩(34)をスタメンから外すなど、試行錯誤を繰り返しており、周囲からも驚きの声があがっている。球団歴代最多勝利数を誇る原監督はなぜ今シーズン“迷走”しているのか。球団OBや記者たちが指摘するのが「コーチ陣の変化」だ。
「今年から招聘されたデーブこと大久保博元打撃チーフコーチ(56)や阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ(44)などをはじめ現コーチ陣は原監督のイエスマンばかりです。第2次原政権(2006~2015年)の途中までは当時ヘッドコーチだった伊原春樹さん(74)がいて、監督をいさめていました。しかし、現在は異なる視点で意見を進言できる人がいないように見えます」(スポーツ紙デスク)
昨季までの巨人は、まだ少し違っていたという。「それは投手チーフコーチとしてベンチにいた桑田真澄氏(55)の存在です」(同前)
だが、今年からファーム総監督へと配置転換。今シーズンは、原監督自らがマウンドに向かう場面も増えている。巨人番記者が語る。
「大勢(23)の酷使にブレーキをかけるなど、昨シーズンは桑田コーチが原監督の起用法に意見する場面も多かった。嫌われ役になっても選手を守る姿勢に、大勢をはじめ投手陣に桑田コーチを慕う声があったが、今のコーチ陣と選手たちの間には距離を感じます」
来季は「GM」に?
球団OBの広岡達朗氏は、選手が育たない原因はコーチ陣にあると指摘する。
「今の巨人の一番のウィークポイントは、投手陣です。抑えの大勢は計算が立つが、そこまでをつなぐブルペン陣がいない。本来はそうした投手を育てることがコーチの仕事なんですが、今の巨人は一軍コーチをたった1年間で二軍や三軍に放出するケースが多い。それではコーチも選手も育つはずがありません。コーチの頭数だけはたくさんいますが、宝の持ち腐れです」
ただ、野球評論家の江本孟紀氏は原監督の置かれた状況には「同情できる部分もある」と語る。
「結局のところ巨人には投打の頼れる軸がないんですよね。チームを引っ張っていく菅野智之(33)が開幕投手を回避して調整中だし、打撃好調の岡本和真(26)はまだしも、坂本、丸も柱になるような働きをせず、右往左往しています。先発陣は戸郷翔征(23)以外、新外国人も含めて未知数です。現状の戦力じゃ采配も何もないんじゃないですかね」