ただ、乗り方を考えるのは、もう僕の仕事ではありませんね(笑)。それぞれのジョッキーの乗り方を味わいたいと思います。いまや長距離もスピード重視で上がり3ハロンで33秒台が出てしまうこともあるので瞬発力も求められますし、全体の時計も速くなりました。いずれにせよ、ここの攻防が見どころだと思います。改修前と競馬が変わる可能性はおおいにあります。
ファンの方は開幕週のレースVTRをじっくり見直してみてはいかがでしょうか。外回りコースの時、差し馬がどういうコースを通るのか、どのコースを通った馬が上位に来るのか先々のことを考えて統計を取ってみるのも面白いかもしれませんね。
余談ですが、かつての京都競馬場のパドックはまん丸でちょっと趣がありました。真ん中に木があって、向こう側が一瞬見えなくなったり、影になっているところが涼しかったりで、他の競馬場と違うところが好きでした。
【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。
※週刊ポスト2023年5月5・12日号