5月5日午前、東京・台東区の「吉原」と呼ばれるエリアの風俗店で、女性従業員が客の男にサバイバルナイフのようなもので刺され、死亡した事件。事件があったのと同じ店で20年前の2003年にも従業員女性の絞殺事件が起きていたことで、同業者の間では衝撃が広がっている。
事件は、5日午前11時20分ごろに起きた。店の従業員から、「女性が男性に刺された」と119番通報。30代の従業員女性が首や腹を刺されており、搬送された病院で死亡が確認された。客の男は腹部から血を流して廊下で倒れているところを発見されており、病院に搬送された。警察は、男が女性を刺した後、自らの腹部も刺した可能性があるとみて殺人容疑で調べを進めている。
この店では、2003年にも客の男が女性従業員を殺害する事件が起きていた。近隣の店のベテラン従業員が語る。
「20年前の事件では、32歳の女性従業員が客の男から一糸まとわぬ姿のままネクタイで首を絞められて殺されてしまった。犯人の男は吉原の別の店で働いていたが、上司に怒られて辞め、『仕事が嫌になった。誰かを道連れにして自分も……』と自暴自棄になっていた。それで、自らも客として来たことがあった店で事件を起こしたのです。
今回は動機もわからないし犯人像もハッキリしていませんが、色恋系の密着営業スタイルが売りとなっている店だったから、勘違いした男性客から一方的に恨まれてしまったのかもしれません。吉原のサービスは密室ですから怪しい客やストーカー気質のある客はうまく断って入店させないようにしているのですが、どうしても限界はあります。それにしても、あの店でまたも事件が起きるなんて……」