バントや守備の記録に現れないミス
ラミレス監督時代の5年間は、惜しくも優勝に届かなかった。バントの失敗や守備での記録に現れないミスなどを減少させるため『凡事徹底』を掲げていたが、完全に実行できたとは言い難かった。それが、ペナント制覇できなかった大きな原因と指摘される。
「優勝するチームは、そつがない。当たり前のことを当たり前にできる。今のDeNAがそうなっているかといえば、まだまだ細かいミスが目立つ。5月2日の広島戦では4回無死一二塁で桑原将志が高めのボール球をバントして失敗。8回無死一二塁でも伊藤光が送れなかった。
逆に、広島は1対1の9回に無死二塁で、野間峻祥がバントを決めて1死三塁のチャンスを作って、秋山翔吾の決勝打に繋げた。一二塁間の当たりが内野安打になったのですが、ピッチャーの山崎康晃がベースカバーに入らなかった。一塁手の佐野の邪魔になると思って避けたのでしょうけど、自分より左に打球が行った時点で一塁に向かわないといけない。一塁で確実にアウトにしていれば、その後の坂倉将吾の満塁ホームランはなかったでしょう。
広島が抑えの栗林良吏を欠いているだけに、大量失点しなければ逆転のチャンスはまだあった。バントや守備の記録に現れないミスがなければ、DeNAが勝っていたかもしれない試合でした」
8回から5点差をひっくり返された「こどもの日の教訓」
クローザーの山崎康晃は2日の広島戦に続き、5日のヤクルト戦でも打たれて敗戦投手になっている。
「山崎のリリーフ失敗は今季、3回目です。9セーブを挙げていますが、ボールにいい時のキレが見られません。現在の状態が続けば、中継ぎ降格も十分あり得ます。
三浦監督は昨年の後半戦から決断力が上がったように思います。試合中の采配でも勝負所と見れば、早めに代打の切り札を出す。ただ、この日は5点差あったためか、8回に調子の上がらないエスコバーを使い、ワンアウトも取れないまま降板となった。エスコバーは昨年までリリーフの中心として頑張ってくれた。三浦監督には復調を願う気持ちもあって、5点リードの楽な場面で投げさせたのかもしれない。しかし、それが完全に裏目に出て、サヨナラ負けにまで繋がった。采配に情が出たように感じました」