「ホスト時代は、有名グループに所属してました。そこでは、副社長や先輩に可愛がってもらって。僕、シャンコ(※シャンパンコール)が上手くって、グループの『ヘルプ賞』と『コール賞』を三年続けて受賞したんですよ」
「ホス狂い」の女の子たちを取材してきたが、彼がいう「ヘルプ賞」も「コール賞」も耳にしたことがない。「担当(※指名ホスト)」にひたすら、自分自身の、お金も時間も、体力も、すべてを捧げる彼女たちは「ブラックパールを卸したから一晩で2000万使いました(笑い)」や「担当ぴの誕生日にシャンパンタワーしたいから鬼出勤して10日で200万貯めた」「カレを『トラックに乗せたい』(※街中を走るアドトラックに写真が掲載されること)から、あと100万はつかわなきゃ」など、一年間で何千万円もの売上げを立てるキラキラした担当ホストしか目に入っていなのだから、お酒を作ったり、担当ホストが別の卓で接客をしている時の“つなぎ”としてテーブルにつくヘルプのことや、シャンパンを入れた時のコールが上手いかどうかなど眼中にないのは、当たり前だろう。
私のそんな胸中も知らず、嬉しそうに話す彼には、なんとも言い難い、切なさを感じた。
逮捕時には「無職」と話したインフィだが、ホストを辞めた後には二枚目AV男優「インフィニティK」として、明日香キララや深田えいみなど、錚々たるセクシー女優のビッグネームたちの“お相手”を務めている。
だが、古くは飯島愛をはじめとし、文化人となった峰なゆかや、女優として活動する及川奈央など、セクシー女優たちが市民権を得て、お茶の間に進出しやすいことにくらべて、男優の世界は比べ物にならないほどシビアだ。風俗情報誌ライターがこう話す。
「コロナ禍に加え、昨年6月に成立した通称『AV新法』により、AVの現場は大きな打撃を受けた。これはアダルトビデオへの出演の強要を防ぐため、AVの制作メーカーなどに規制を求める法律ですが、新法の成立にともない、メーカーが法への対応に追われ、一時期はほとんどの現場がストップしてしまったといいます。特にセクシー男優にとっては厳しい状況が続き、あのカリスマ男優・しみけんさんですら撮影数が激減して、月たった2本の出演で、収入がヒトケタしかなかった時期もあったそうです」
厳しい現実の中、インフィにとって夢を見せ続けてくれたのが“心友”の「ハウル」であり「卍會」であり「トー横」だったのだ。そこにさえいれば彼は「子供たちを守り、界隈の有名人」であるインフィでいられる。