──あの食欲をそそられる劇中料理の、細かいレシピや盛り付けも飯島さんが考案されているのでしょうか?
飯島さん:私だけではなく、スタッフ全員で話し合っています。机に向かって座って打ち合わせる……というよりは、何か別の作業をしながらひらめいて、それを全員で共有して「ああ、いいかもねえ!」と話し合っていくような雰囲気です。
──打ち合わせは、1話につき毎回1時間ほど費やしていたとか。
岡本さん:料理の数がすごく多かったんです。そのぶん、演者さんたちにたくさん食べてもらうシーンが多くて……。それでもガツガツと食べてもらうため、負担にならないように、薄味にするというアレンジは加えました。
板井さん:みんな食べるのが上手でしたね。
岡本さん:監督から「大きな口で食べてください」とリクエストされていましたね。それでも綺麗に、上品にまとまっているのは「お見事!」の一言でした。
「出てくる料理のこと」が劇中で話題になる作品
──今回、出演者さんに料理指導はされたのでしょうか?
飯島さん:しました。前田さんは包丁使いも問題なく、普段から料理をされているのがよく分かりました。
板井さん:成海さんと塩野さんは、その都度作業が決まったら、所作をお伝えしていました。
──完成したドラマを実際に見られて、どんな感想をお持ちになられましたか?
飯島さん:日本のドラマは恋愛モノが多いと思いませんか?
──確かに。恋愛はトレンディドラマ時代からの定番みたいなものですからね。
飯島さん:それが『かしましめし』は英治が同性愛者であることも、ごく自然に描かれていますよね。3人それぞれに抱える悩みや問題があり、それらがストレートに表現されているのがいいなあと思いました。
それから今回のドラマで提供した料理は、全体的に「自由に食べてもいいよね?」と言いそうになる、「孤食」ではない、みんなで食べる料理です。そうめんにしても「こういう食べ方があるんだね」と、ちゃんと料理のことを演技の中で話題にしてもらえる。そういったドラマと料理の関連性も感じられました。
板井さん:千春がパワハラに悩んで、退職して落ち込んでいる。そんなときでも、美味しいごはんが最後には解決してくれるんだなって、思いました。すみません、単純で。仲間っていいなあ……って。(ニヤニヤとする飯島さんと岡本さんを見て)あ、何ですか! どうして笑うんですか(笑)私たちも仲間ですよね?
飯島さん:もちろんです(笑)