スポーツ

高校野球界「一強」の大阪桐蔭に異変 まさかの「4連敗」で投手陣は緊急事態、打線はタイムリー欠乏症の懸念

西谷浩一監督

高校野球界で「一強」といわれることもある大阪桐蔭を率いる西谷監督

 近年の高校球界をリードし、時に「一強」とも称されるのが大阪桐蔭だ。全国屈指の激戦区とされる大阪において甲子園出場は春13回、夏12回。全国制覇も春4回、夏5回を数える。連覇を狙った今春の選抜甲子園では準決勝で惜しくも敗れたものの、豊富な戦力を備え、今夏も大阪大会を勝ち抜いて甲子園で深紅の大優勝旗を手にする最有力候補とみられている。しかし、ここにきてその戦いぶりに“異変”が感じられるようだ──。

 * * *
 大阪桐蔭戦線に異状あり、だ。

 5月18日に春季大阪大会決勝で敗れ、5月27日の近畿大会でも初戦敗退。大阪大会の連勝記録が「56」でストップしただけでなく、公式戦での連敗は90試合ぶりだという。さらに6月1日の招待試合でも2連敗した。時間制限のあった招待試合は参考記録とはいえ、大阪桐蔭が4連敗したというのは、高校野球界の珍事だ。

 大黒柱にして今秋のドラフト1位が確実視される主将の前田悠伍は、春季大阪大会からベンチを外れていた。その理由について、西谷浩一監督はこう話していた。

「キャプテンなので、ベンチに入れようと思いましたが、じっくり練習をしたほうがいいかなと思って、今は練習をさせています。経験は積めているので、それ以外のピッチャーを試したい。選抜で勝てませんでしたので、夏に向けてもう一回、いろんなことを挑戦している。夏に勝つために、まずは大阪を勝つためにいろんなことをチームとしてやり直しているところです」

 3月の選抜において、準決勝で西谷監督の母校である報徳学園(兵庫)に敗れた大阪桐蔭にあって、前田に続く二番手以降の投手の育成が課題であることは明らかだ。例年も新戦力、経験の少ない下級生にチャンスを与える大会として位置づけている春季大会だけに、先を見据えたこの判断も予想できたこと。

 ところが、大阪大会の決勝で金光大阪に1対2で敗れ、さらに近畿大会(この大会も前田はベンチ外)でも智弁学園(奈良)を前に初戦敗退を喫した。そして、愛知の私立・栄徳高校と享栄高校を運営する愛知享栄学園が創立110周年の記念事業として大阪桐蔭をバンテリンドームに招いた招待試合では、控えメンバー中心で臨んだ栄徳戦で2対7、享栄戦も1対4で敗れた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン