昭和、平成、令和と時代を超えて数々のクイズ番組に出演し、圧倒的な知識量、頭の回転の速さで “元祖・クイズ王”とも称される俳優の辰巳琢郎氏(64)。クイズ界のレジェンドでありながら、新時代のクイズ王たち相手に今も変わらない博識ぶりや記憶力、知性で渡り合っている辰巳氏に、頭脳明晰でい続けられる秘密を聞いた。※編注:琢郎氏の「琢」は正しくは点の入る旧字体です。
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1988年に『連想ゲーム』(NHK総合)のレギュラーに抜擢されたのを皮切りに、高い正解率でお茶の間を驚嘆させた『たけし・逸見の平成教育委員会』(フジテレビ系)をはじめ、『クイズ$ミリオネア』(フジテレビ系)など多くの伝説的クイズ番組で活躍してきた辰巳氏。60代に入り、頭脳に変化を感じることはあるのだろうか?
「感じますよ! あれ誰だっけ? と人の名前を思い出せないことなんかしょっちゅう。わかっているんだけど言葉が出てこないことももちろんありますし、昔ちゃんと知っていたことなど得意分野だと、本当にもどかしいです。老化は仕方のないこと。記憶力は落ちていくし、老化していくことをどう受け止め、どう踏ん張るかですよね」(辰巳氏、以下同)
昔はぱっと出てきた言葉や記憶が、年を取ってくるとすぐに出てこないなど、瞬発力の衰えを実感することはよくあるという。
「脳は使わないとどんどん衰えると信じていますので、とにかく使わなきゃね。肉体は衰えていっても、頭脳だけはちゃんと最後までしっかりしていてほしいですからね。そのために、たとえば時間がある時は、しばらく分からなくても、自力で思い出す時間を設けるようにしています。数時間、半日置いたら『あっ!』と思い出すこともありますし、そういうひらめきみたいなものを欲しいので、すぐにスマホで検索するのはやめようと意識しています。結局、楽をしないことじゃないかなと思うんですよね。
文章を書く時も『この言葉、本当はどういう意味なんだっけ?』と思ったら流さずに、辞書できちんと調べるのがいいと考えています。疑問に思うことや、また、文字を書く際に『この字でよかったのかな?』と不安になった時に調べて、もう一度きちんと記憶に入れ直しています」