適応は18歳以上の高度肥満ではない中等症から重症の患者で、CPAP療法が継続困難などの条件がある。
このシステムはアメリカで開発され、現時点において都内で治療可能なのは順天堂医院だけだ。
「治療の適応判断は専門医が行ないます。舌下神経は末梢が細かく分かれていて、手術では適切な神経を探り、導線を留置させ、術後30日目からシステムを起動し、治療を始めます。現在、いびきや無呼吸、眠気の改善が報告されています」(井下准教授)
舌下神経電気刺激療法はデバイスを植え込むため、心理的負担はあるものの、CPAP療法を持続できない患者にとっては、新しい治療選択肢の一つであることは確かだ。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2023 6月30日・7月7日号