毎週のように優勝争いに絡んでくる明愛・千怜の岩井ツインズ。今や女子プロゴルフツアーの顔である。
2021年6月に揃ってプロテストに合格。先に頭角を現わした妹の千怜は、昨年8月の『NEC軽井沢72』で初優勝を飾ると、翌週の『CATレディス』でルーキーとして初の2週連続優勝を果たした。
姉の明愛が追いついたのは妹の初優勝から245日目。今年4月の『KKT杯バンテリンレディス』で初優勝を飾り、男女を通じて史上初の双子優勝となった。その後も姉妹によるプレーオフ、最終日最終組でのプレーなど、姉妹でのツアー初を次々と達成している。
2人が初めてゴルフクラブを握ったのは小学2年生、7歳の夏だ。父の雄士さんが連れて行った地元・埼玉県毛呂山町のリンクスゴルフクラブだった。同クラブのインストラクターで、岩井ツインズを小学3年から指導している永井哲二コーチが明かす。
「あきちゃん(明愛)は運動能力が抜群で、努力しなくてもできてしまう。試合での片手打ちが典型です。ちーちゃん(千怜)は粘り強く同じことを繰り返し練習できる子。反復練習が得意で、努力してできるタイプ。練習を重ねることでメンタルがどんどん強くなっていった」
実際、姉が試合で直ドラをやると、妹も「その手があったか」とやって見せる。『ニチレイレディス』(6月16~18日)では、姉が片手でアプローチしてチップインするミラクルショットも披露した。ツアー41勝で永久シードの森口祐子プロもこう語る。
「姉妹はプロとしてのエンターテインメント性を持ち合わせているが、直ドラや片手打ちは準備していないとできないこと。明愛さんはスタート前の練習では左手で打ち始め、右手で打ち、その次は逆ハンドの手順でボールを打っていく。そのすべてがバランスよくスイングできている。ゴルフでの体の動きは一方通行ですが、スイングを見ると成長過程にバランスよく筋肉を育ててきたことが窺える」