テレビ朝日に勤めるひとりのサラリーマンが、国際政治学者・三浦瑠麗氏との裁判闘争記を出版した。きっかけは本誌・週刊ポストの報道だった。因縁の誌面で、すべてを赤裸々に語った──。
本誌は2019年4月15日発売号でスクープ記事を出した。当時テレ朝の看板番組『朝まで生テレビ!』でMCを務めていた元アナウンサーの村上祐子氏が、夫と別居し、別の男性と同棲していることを報じたものである。
これがすべての始まりだった。その別居中の夫が著者の西脇亨輔氏で、村上氏と同じくテレ朝の社員である。西脇氏は当時の心境をこう語る。
「他の男性と同棲しているなんて全く知らなかったので、青天の霹靂でした。青山霊園で男性と歩く妻の笑顔の写真が、ずっと頭に残りました」(以下「 」内は西脇氏)
しかし、本当の衝撃は報道の後に控えていた。スクープの反響は大きく、テレ朝は、村上氏の『朝生』の出演を当面見合わせると発表したが、それを国際政治学者の三浦瑠麗氏が批判したのだ。三浦氏は2019年4月23日にこうツイートした。
〈そもそも何年も別居し離婚調停後、離婚訴訟係争中の人を不倫疑惑とする方が間違い。(後略)〉
その2日後には、こうツイートしている。
〈週刊ポストは村上さんの相手が破綻事由でないことも、離婚訴訟中であることも知ってて敢えて隠して不貞行為のように書いたでしょ〉
三浦氏は当時、『朝生』にはほぼ毎回出演する準レギュラー的存在で、ツイートは番組で共演し旧知の間柄である村上氏を擁護した格好だが、西脇氏を驚愕させたのは「離婚訴訟係争中」「破綻事由」という言葉だった。
当時の三浦氏のフォロワーは17万人以上にのぼり、テレ朝社内ではまたたくまに西脇氏が離婚係争中であることが知れ渡ったのだ。
「離婚係争中であることは誰にも話していませんでした。当時は身を削るような離婚裁判の最中で、そんななかでプライバシーを晒され、さらに夫婦関係は破綻したと決めつけるような言い方をされた。自分の琴線にもっとも触れるところで、自分が自分であるためにも『ここは戦わなきゃいけない』と思った」