捕手2人制は阪神含めた2球団のみ
2人は打撃成績でも差が付いている。
●梅野隆太郎
159打数26安打 打率.164
得点圏.152 出塁率.250 長打率.189
●坂本誠志郎
86打数21安打 打率.244
得点圏.333 出塁率.305 長打率.291
これも梅野ではなく坂本を推すファンがいる、大きな理由の1つではないだろうか。
「梅野は3、4月の打率は1割0分5厘で、5月も2割0分5厘、6月も2割1分8厘と打っていない。坂本は3、4月に3割9分1厘と好調だったのですが、5月は2割、6月は1割7分4厘と調子を落としています。現段階では2人のバッティングは大して変わらない」
今まで岡田監督はどうして坂本ではなく梅野を軸として起用してきたのか。
「総合力を考えた時、1年間を乗り切る正捕手として梅野の方が上と判断していたのでしょう。打撃面でも2018年から3年間、OPS(出塁率+長打率)が0.7を超えていた。キャッチャーとしては十分な数字で、得点圏にも強かった。早くその打撃を取り戻してほしいと願っているはず。
坂本は特定のピッチャーの時に出場する2番手捕手としては欠かせない存在ですが、1年間任せるにはまだ荷が重いと考えていたのでは。実際、最近は成績を落としていますから、その判断は間違いとは言えない。梅野を正捕手として考えた場合、梅野に立ち直ってもらわなければならない。勝負は9月、10月ですから序盤のうちに早くきっかけを掴んでほしかったのでしょう」
現在、阪神は梅野と坂本の捕手2人制になっている。2位のDeNAは戸柱恭孝、伊藤光山本祐大、3位の広島は會澤翼、坂倉将吾、磯村嘉孝、4位の巨人は大城卓三、小林誠司、岸田行倫、5位のヤクルトは中村悠平、西田明央、内山壮真、古賀優大、最下位の中日は宇佐見真吾、味谷大誠、石橋康太といずれも3人以上を登録している。捕手2人制は12球団で阪神と西武の2球団だけである。
「岡田監督の中で、坂本の信頼感が上がっている証拠です。よほどのことがない限り、スタメンキャッチャーが1試合出続ける体制になっている。今後、4月や5月のように坂本の出場試合で勝ち続けることがあれば、坂本が正捕手になる可能性も出てくるのではないでしょうか」
梅野と坂本が切磋琢磨することで、阪神18年ぶりの優勝が見えてくる。