今季、15年ぶりに岡田彰布監督が再登板し、セ・リーグ首位を走っている阪神タイガース。そうした中で阪神ファンの中でも議論になっているのは、「キャッチャーは梅野隆太郎を使うべきか、坂本誠志郎を軸にすべきか」という意見だ。
「岡田監督は就任早々、正捕手は梅野と明言しました。梅野は一昨年の東京五輪では侍ジャパンのメンバーとして金メダルに貢献しましたし、2018年から3年連続ゴールデングラブ賞に輝いています。しかし、昨年は坂本にスタメンを譲る機会もしばしば見受けられた。岡田監督は、主力は固定することで力を発揮できると考えている。大山悠輔や佐藤輝明のポジション固定に加え、梅野を正捕手に据えることで自覚と責任感、良い意味での安心感を与えたかったのでしょう」(プロ野球担当記者。以下同)
梅野は7番キャッチャーとして開幕スタメンに名を連ねた。しかし、4月は先発17試合でチームは6勝10敗1分と負け越し、バッティングも打率1割0分5厘と極度の不振に陥った。一方の坂本は7試合目、4月8日のヤクルト戦で今季初スタメンを勝ち取ると、ソフトバンクから現役ドラフトで移籍してきた先発の大竹耕太郎を好リード。フル出場して1対0の完封勝ちに貢献した。12日の巨人戦では3年目の村上頌樹の良さを引き出し、7回まで1人のランナーも許さなかった。坂本は9回表に代打が送られて交代したが、この試合もチームは白星となった。
「坂本は大竹、村上と最初のコンビで結果を残したことで、2人が先発する時はスタメンマスクを被るようになりました。そして、2人とも序盤戦快調なピッチングを続けて、勝ち星を積み重ねていった。他のピッチャーの先発では基本的に梅野がスタメンでしたが、開幕投手でエースの青柳晃洋の不調もあって、なかなか勝てなかった。4月19日の広島戦から5月2日の中日戦までの11試合、阪神は5勝6敗でした。5勝は全て坂本、6敗は全て梅野がスタメン。これで、阪神ファンの中からは『梅野ではなく坂本を使うべきだ』という声も聞こえてくるようになりました」