たんすの中に眠っている“親の着物”。どうにか活用したいと思っていても、着物を着る機会がないという人も多いだろう。それならば、リメークするのはどうだろうか──。
着物は流行に左右されることがない。大正、昭和のアンティークでもリメークすれば、おしゃれ着やインテリアに生まれ変わらせることができる。
「着物は、一着ごとに柄や色合いが違うので、リメークすると一点もののアイテムに生まれ変わるのがいいところです」と言うのは、数々の着物リメークを手がけている服飾デザイナーの松下純子さん。
「着物は一般的に100%絹糸を使った正絹で作られているため、いわばシルク素材です。シルクは肌触りがよく、通気性もいいので、シャツやワンピースにすればオールシーズン着ることができます。作るのも小学校で裁縫を習った人なら誰でもできます」(松下さん・以下同)
着物リメークは、着物の糸を一度すべてほどき、布状にしてから行うのが基本だ。
「着物の糸をほどくのは糸切り用の道具『リッパー』を使えば簡単です。布になったら、着物に染みついた防虫剤などのにおいや汚れを落とすために液体石けんと重曹、クエン酸ですすぎます。
やり方は、たらいにぬるま湯を入れ、そこに液体石けんと重曹(各大さじ1)を入れて溶かし、約10分つけてからよくすすぎます。
次に、たらい半分ほどのぬるま湯にクエン酸をひとつまみ入れ、10分程度置いてから軽く絞って日陰に干して、完全に乾いてから使います」