国内

森山裕・選対委員長 抜群の集金力で“第2の金丸信”ヘの道ひた走る

“裏で自民党を切り回すドン”との声も(時事通信フォト)

“裏で自民党を切り回すドン”との声も(時事通信フォト)

 選挙区の10増10減に伴う候補者調整をめぐって悪化した自公関係。その修復のために奔走し、岸田文雄・首相から絶大な信頼を得ているのが森山裕・選対委員長だ。今では全選挙区の候補者の公認権を握ることにより、“裏で自民党を切り回すドン”との声も高く、8月下旬と見られている内閣改造で茂木敏充氏に代わる幹事長への抜擢が有力視されている。自民党に突然現われたこの新実力者は、一体何者なのか。

 森山氏は鹿児島が大空襲に襲われた昭和20年4月8日、同県鹿屋市の防空壕の中で生まれた。

 実家は農家と新聞販売店を営み、森山氏も小学生の頃から毎日自転車で新聞を配達したが、中学卒業後、「つらい農業はやりたくない」と就職。働きながら定時制高校を卒業した。この生い立ちは、今年4月27日、森山氏が議員在職25年表彰を受けた際の国会演説で自ら語ったものだ。

 中古車販売業で身を起こし、鹿児島市議を7期23年務めた後、53歳の時に参院補選(1998年)で国政に出て、2004年に衆院に転じた。苦労人で、遅咲きの政治家である。市議時代の同僚が語る。

「森山さんが中学を卒業して最初に勤めたのが自動車関係の会社で、自転車に乗って工具などをお客さんのところに運ぶ仕事をしていたそうです。生活は非常に厳しかったと。中古車販売会社を立ち上げた頃から人との付き合いに才覚を発揮し、同業者をまとめて組合をつくるなど実績をあげています。苦労人だけに市議時代も気配りを忘れなかった。議員の中には市の職員に威張り散らす人もいたが、森山さんは『市議も職員も市民の負託を受けて仕事をしているのだから、職員が働きやすい職場にしなければならない』と言っていて職員から信頼されていた」

 この市議時代に大きな資産を築いた。

 森山氏の「後援者の息子」であるIT経営者・金丸恭文氏が鹿児島で起業した会社(現フューチャー)に出資したところ、会社が急成長して保有する株の評価額が今やざっと20億円に膨れ上がった。

 森山氏は以前、本誌・週刊ポスト(2023年7月10日発売号)の取材に同社株を保有した経緯をこう語っている。

「同社の金丸社長とは地元・鹿児島で同郷だった縁で、創業時(1989年)に応援する目的で210万円を出し42株を取得した」

 前出・市議時代の同僚はこう付け加える。

「出資する時に奥さんに反対されたから、自分のヘソクリから210万円出したら大化けしたと言ってました」

 資産家とあって、地元では「政治資金パーティーを開かない政治家」として知られる。

関連記事

トピックス

中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
X子さんフジ退社後に「ひと段落ついた感じかな」…調査報告書から見えた中居正広氏の態度《見舞金の贈与税を心配、メッセージを「見たら削除して」と要請》
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレが関東で初めてファンミーティングを開催(Instagramより)
《新メンバーの名前なし》ロコ・ソラーレ4人、初の関東ファンミーティング開催に自身も参加する代表理事・本橋麻里の「思惑」 チケットは5分で完売
NEWSポストセブン
中居氏による性暴力でフジテレビの企業体質も問われることになった(右・時事通信)
《先輩女性アナ・F氏に同情の声》「名誉回復してあげないと可哀想ではない?」アナウンス室部長として奔走 “一管理職の職責を超える\\\"心労も
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
【女占い師が逮捕】どうやって信者を支配したのか、明らかになった手口 信者のLINEに起きた異変「いつからか本人とは思えない文面になっていた」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
「スイートルームの会」は“業務” 中居正広氏の性暴力を「プライベートの問題」としたフジ幹部を一蹴した“判断基準”とは《ポイントは経費精算、権力格差、A氏の発言…他》
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”4週連続欠場の川崎春花、悩ましい復帰タイミング もし「今年全休」でも「3年シード」で来季からツアー復帰可能
NEWSポストセブン
騒動があった焼肉きんぐ(同社HPより)
《食品レーンの横でゲロゲロ…》焼肉きんぐ広報部が回答「テーブルで30分嘔吐し続ける客を移動できなかった事情」と「レーン上の注文品に飛沫が飛んだ可能性への見解」
NEWSポストセブン
佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ
「スイートルームで約38万円」「すし代で1万5235円」フジテレビ編成幹部の“経費精算”で判明した中居正広氏とX子さんの「業務上の関係」 
NEWSポストセブン
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン