血圧を気にする人にとって、汗をかく夏は“数値が下がりやすい”季節と思うかもしれない。だが、安心はできない。むしろ猛暑によって体調コントロールが難しく多くの危険が潜む。日常生活ではどんな点に気を付けるべきか。発売早々話題のムック『週刊ポストGOLD 血圧を自力で下げる』にも登場し、30年以上、24時間血圧を測り続ける“ミスター血圧”こと渡辺尚彦医師が言う。
「夏は発汗が活発になるため、特に『脱水症状』に気を付けたい。脳梗塞や脳出血は血圧が上昇しやすい冬に多い病気とされてきましたが、近年の最新研究で脳梗塞に限っては夏も発症例が多く、その主な原因とされるのが、脱水症状による血流の悪化です」(以下、「 」のコメントは渡辺医師)
冬とは逆の状況で大きな「寒暖差」が生じる夏の過ごし方について、渡辺医師監修のもと、気を付けるべき行動を別掲の一覧表に示した。
まず注意したいのが、真夏の「冷房」の強さだ。
「外気温が非常に高い夏は、急に冷房の効いた部屋に入ると寒く感じ、血管が収縮して血圧が急上昇します。自宅では室温を下げすぎないようにし、部屋ごとに寒暖差が激しくならないように。自分で空調を調節できないオフィスや公共空間などでは、寒い場所に入る前に服装で調節します」
エアコンや扇風機の風を直接浴び続けると、過度に熱や水分が奪われてさらなる血圧上昇を招く。風を「壁当て」にして反射させるなどの工夫も大事だという。