問題のエレベーター。犯人は非常用電源を使って7階まで行ったのか?
男性社員死亡から2か月以上経ったが、今日に至るまで、県警の発表はおろか、地元マスコミでも事件に関する続報はほとんど出ていない。亡くなった男性社員は事件と関係があったのか。前出の全国紙社会部記者はこう語る。
「遺体発見現場で見つからなかった辰島さんの携帯電話やバッグが新たに発見されたという発表がありませんので、自ら命を絶ったとみられている管理会社の従業員の関係先で発見できなかったようです。男性と事件の直接の関連性を立証する携帯電話やバッグが出てきていないので、容疑者として断定できる材料が欠けているのでしょう」
捜査を担当する熊本県警には、未解決のまま時が過ぎゆくことが許されない内部の事情もあると指摘する。
「2021年5月に熊本市南区で元城南町議会議員の男性が自宅で死亡しているのが見つかり、状況から殺人事件として捜査していますが、この事件も容疑者逮捕には至っていません。昨年9月に熊本県長洲町で強盗傷害事件が起こり、元町議殺害事件と手口が類似していたため関連性が立証されて犯人が逮捕されるのでは、との期待もありましたが、結局のところ関係は不明。依然として未解決のままになっています」(同前)
事件直後に死亡したエレベーター保守点検会社の社員と辰島さんの面識は不明で、県警には辰島さんがストーカー被害などで相談した履歴もなかった。行きずりの犯行か怨恨なのかも不明で、現在も近隣住民の不安は募り続けている。