芸能

「いつまでも自転車でNGKに通いたい」THE SECOND優勝・ギャロップに聞いた「東京進出」の可能性

2003年12月にコンビを組み、結成20年目で悲願の賞レース優勝を果たした

THE SECOND・初代王者に輝いたギャロップ(撮影/山口京和)

 結成16年以上の漫才師による漫才賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」で初代王者に輝いたギャロップが、ベスト4漫才師への連続インタビューで、決勝戦のマシンガンズ戦の舞台を振り返った。優勝した反響、そして大阪から東京への進出に対する2人の思いとは。【前後編の後編。前編から読む】(聞き手/中村計=ノンフィクションライター、『笑い神 M-1、その純情と狂気』著者)

 * * *

──決勝は先攻のマシンガンズが、3本目のネタを用意していなかった……という「ネタ」で爆笑をさらっていました。あのときは、どのようにご覧になっていたのですか?

林健:コンビ歴16年以上の大会なんで、世間の人たちはどの組も10本、20本くらいはネタを持ってると思うじゃないですか。しかも、決勝までいったら3本必要になるのはわかっていながら、もうネタがないってどういうことや、と。ネタがなくても「ない」って言わずにあるっぽい感じでやればいいのに、堂々と「ない」って言って、ほんまにない。普通、あんなんで笑いを取れないですよ。つなぎ目もバレバレで、自然体にもほどがあるでしょ。

毛利大亮:あれはすごかったな。もう、すごいとしか言いようがない。来年、おそらくはマシンガンズ流を真似してくるコンビが続出すると思うんですよ。アドリブをばんばん入れてくるというかね。でも、絶対にできない。あの人らにしかできないネタでしたね。

──マシンガンズの後にネタを披露するときは平常心でいけましたか。

毛利:舞台に出るとき、林が「行くぞ、毛利」って言ったんだよな。テレビにもその声が入っていたと思います。

林:おそらく毎回、出るときは何か言ってるんですよ。相方に何か言いたいというよりは、ただ単に口を動かしておきたくて。だから、「セット、めっちゃ豪華やなー」とかでもよかった。別に気合いを入れたとかいうことでもないんです。

──マシンガンズのネタも衝撃的でしたが、ギャロップの決勝ネタも今後、語り継がれるでしょうね。中盤までほとんどボケがなく、最後の最後で、大ボケをかまして一気に回収するという。あそこで大爆笑を起こした瞬間、やはりコンテストという場においては、ギャロップで決まりだろうなと思いました。

林:好意的に受け取ってくれる人が多かったのでホッとしましたが、一歩間違えたら、ネタがないコンビと、ボケ数の極端に少ないコンビの戦いやと思われていたかもしれませんからね。いいお客さんたちでよかったです。

──決勝のスコアはマシンガンズが246点、ギャロップが279点と大差がつきました。優勝の瞬間は率直なところ、どんな気分でしたか。

林:正直、最初にマシンガンズの点数が出たとき、自分の中ではほぼ大丈夫だなってなっちゃってたんで。これで負けたらどうしようみたいに思っていました。なので、やったーというよりは、よかったなという感じでした。

毛利:一度は全国ネットの賞レースで優勝してみたかったので、やっとその経験ができたなと感慨深かったですね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン