結成16年以上の漫才師による漫才賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」で初代王者に輝いたギャロップが、ベスト4漫才師への連続インタビューで、決勝戦のマシンガンズ戦の舞台を振り返った。優勝した反響、そして大阪から東京への進出に対する2人の思いとは。【前後編の後編。前編から読む】(聞き手/中村計=ノンフィクションライター、『笑い神 M-1、その純情と狂気』著者)
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──決勝は先攻のマシンガンズが、3本目のネタを用意していなかった……という「ネタ」で爆笑をさらっていました。あのときは、どのようにご覧になっていたのですか?
林健:コンビ歴16年以上の大会なんで、世間の人たちはどの組も10本、20本くらいはネタを持ってると思うじゃないですか。しかも、決勝までいったら3本必要になるのはわかっていながら、もうネタがないってどういうことや、と。ネタがなくても「ない」って言わずにあるっぽい感じでやればいいのに、堂々と「ない」って言って、ほんまにない。普通、あんなんで笑いを取れないですよ。つなぎ目もバレバレで、自然体にもほどがあるでしょ。
毛利大亮:あれはすごかったな。もう、すごいとしか言いようがない。来年、おそらくはマシンガンズ流を真似してくるコンビが続出すると思うんですよ。アドリブをばんばん入れてくるというかね。でも、絶対にできない。あの人らにしかできないネタでしたね。
──マシンガンズの後にネタを披露するときは平常心でいけましたか。
毛利:舞台に出るとき、林が「行くぞ、毛利」って言ったんだよな。テレビにもその声が入っていたと思います。
林:おそらく毎回、出るときは何か言ってるんですよ。相方に何か言いたいというよりは、ただ単に口を動かしておきたくて。だから、「セット、めっちゃ豪華やなー」とかでもよかった。別に気合いを入れたとかいうことでもないんです。
──マシンガンズのネタも衝撃的でしたが、ギャロップの決勝ネタも今後、語り継がれるでしょうね。中盤までほとんどボケがなく、最後の最後で、大ボケをかまして一気に回収するという。あそこで大爆笑を起こした瞬間、やはりコンテストという場においては、ギャロップで決まりだろうなと思いました。
林:好意的に受け取ってくれる人が多かったのでホッとしましたが、一歩間違えたら、ネタがないコンビと、ボケ数の極端に少ないコンビの戦いやと思われていたかもしれませんからね。いいお客さんたちでよかったです。
──決勝のスコアはマシンガンズが246点、ギャロップが279点と大差がつきました。優勝の瞬間は率直なところ、どんな気分でしたか。
林:正直、最初にマシンガンズの点数が出たとき、自分の中ではほぼ大丈夫だなってなっちゃってたんで。これで負けたらどうしようみたいに思っていました。なので、やったーというよりは、よかったなという感じでした。
毛利:一度は全国ネットの賞レースで優勝してみたかったので、やっとその経験ができたなと感慨深かったですね。