皇族数確保のための議論が宙に浮いている現在、未婚の女性皇族の置かれている立場は極めて不安定であり、愛子さまにおいても例外ではない。来春、大学をご卒業したあかつきには、ますます成年皇族としてのご活動が期待されるだろう愛子さまの将来を左右する選挙が開催される──。
現在、学習院大学文学部に籍を置かれている天皇家の長女・愛子さまは、大学生活最後の夏を卒業論文のご執筆に捧げられているようだ。
8月4日、愛子さまはお忍びで、東京国立博物館(東京・上野)に足を運ばれた。目的は、6日まで開催されていた「藤原定家―『明月記』とその書―」という企画展だ。定家は、平安時代末期から鎌倉時代初期を代表する公家・歌人で、80巻近く現存する日記「明月記」を書き残したほか、小倉百人一首の選者としても知られている。また “悪筆”でも有名で、一見するとヘタウマな彼の文字は「定家様」と呼ばれ、のちに江戸時代の習字の流派の1つとなった。
「愛子さまは、一般客に気を使われたのか閉館の直前に博物館に入られ、定家直筆のさまざまな書を熱心にご覧になったそうです。昨年12月には、天皇陛下とおふたりで、五島美術館(東京・世田谷区)を訪れ、定家に影響を与えたとされる歌人・西行の展示をご覧になっていますから、卒論では平安末期から鎌倉初期にかけての文学や詩歌をテーマとして扱われるのかもしれません」(宮内庁関係者)
夏休みのさなかも、学業に熱心に取り組まれる愛子さま。一方で、成年皇族としての責務も広がりを見せている。
愛子さまはこの夏、両陛下と那須御用邸で静養される予定だ。御用邸でのご静養は、愛子さまが成人されてから初となる。
「8月上旬に調整していた須崎御用邸でのご静養は実現しませんでした。学業に専念したいという愛子さまのご事情があったそうです。お出ましの機会は限られており、このたびのご静養で愛子さまのお姿が見られることに国民の期待も高まっているでしょう。愛子さまはそうした思いをくまれ、成年皇族として一皮むけた振る舞いをされるのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
ご静養から戻られて息つく間もなく、愛子さまが重要な責務を果たされることが明らかになった。9月7日、「皇室会議」に出席する皇族議員を選ぶ選挙で、初めて一票を投じられるという。
「4年に1度、陛下と上皇さまを除く成年皇族のなかから2名が議員に、2名が予備議員に選ばれます。投票は、皇族方それぞれがふさわしいと思われる4名の名前を記入する互選形式。選挙権のない皇族方にとって、唯一の選挙の機会ともいえます」(前出・宮内庁関係者)