学校や学生にスポットを当てたバラエティ番組が増えている。かつては『学校へ行こう!』(TBS系)に代表されるように、学校がバラエティのテーマになることは少なくなかったが、なぜいま学校なのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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19日に『発県!くらべる学校百景 燃えあがれ!勝負の夏』(NHK総合)と『ダンススタジアム2023夏〜高校ダンス部日本一決定戦〜』(フジテレビ系)が放送されます。前者は全国の学校をあらゆる角度で比べる学校比較バラエティで、今回は女性だけの応援部や中学校のサーフィン部をフィーチャー。後者は日本一の高校ダンス部を決める全国大会を追いかけた青春群像ドキュメントです。
学校や学生にスポットを当てた番組は19日のこの2つだけではありません。その筆頭は、土曜ゴールデンタイムで放送されている『新しいカギ』(フジテレビ系)。
学生たちが学校に隠れた芸能人を探す「学校かくれんぼ」、バスケ部がゴリ部(岡部大)や松道(松尾駿)と対決する「高校バスケ全国制覇の道」、高校生たちが「何問目?」の難問クイズに挑む「高校生クイズ何問目」、芸人と先生がコンビを組んで漫才を披露する「先生と漫才GP」、サッカー部が最強シュートロボ・タムジーニョとPK対決する「長の水博士MADロボ部」など、さまざまな企画を放送中。さらに、現在ホームページで先生が校内を走る「学校駅伝」や「一芸に秀でた学生」の出演者を募集しています。
また、『千鳥のクセスゴ』(フジテレビ系)は、芸人たちが30秒で笑いを取る「出張!クセスゴ笑10」の出張先が学校に変更。『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)は、番組に来てほしい学校を募集していて、この1か月あまりでも福原遥さん、鈴鹿央士さん、目黒蓮さん、川口春奈さんらが学校に潜入しました。
その他でも、10代にフィーチャーした『超無敵クラス』(日本テレビ系)は学校が舞台の企画を週替わりで放送していますし、『THEカラオケ★バトル』(テレビ東京系)でも「U-18歌うま甲子園」をほぼ隔月で放送中。8月16日の『東大王』(TBS系)で高校生日本一を決める「クイズ甲子園」が放送されたほか、7月22日にも霜降り明星がサプライズで校内放送を行う特番『霜降り明星の校内放送ジャック』が放送されました。さらに、『私のバカせまい史』(フジテレビ系)でも、学生がスタジオで研究発表する「バカせま甲子園」の出演者を募集しています。
学校や学生にスポットを当てた番組が急増している理由は何なのでしょうか。
指標の変化とテレビマンの優しさ
これほど急増した背景にあるのは、コア層(主に13~49歳)の個人視聴率と、TVerや自局系有料動画配信サービスの再生数という2つの指標。今なお民放各局にとって放送におけるCMが最大の収入源であることは変わっていないため、スポンサー受けのいいコア層の個人視聴率獲得は最重要視されています。親子での視聴が期待できる学校や学生にスポットを当てた番組は、その1つなのです。