しかし、昨年11月、今年1月に「学校かくれんぼ」を放送したころから空気が一変。ネット上で話題になるほか、現在まで応募が殺到しているそうです。さらに前述したような他の企画をたたみかけることで、一気に学校や学生にスポットを当てた番組の象徴的な番組となりました。視聴率に留まらないネット上の動きを見た他番組のスタッフが「ウチもできないか」と考えるのは当然の流れでしょう。
そもそも学校や学生にスポットを当てた番組は、まず「両者の理解を得る」必要があるほか、安全面、プライバシー、ネタバレなど、ロケの手間や配慮がより求められる難しいジャンル。実際、1990年代後半から2000年代の人気番組だった『学校へ行こう!』(TBS系)のレギュラー放送が終了して以降は「視聴率を得ることが難しくなった」などと言われていました。
学校や学生にスポットを当てた番組を長年制作してこなかったことから、各局にノウハウを持つスタッフが少ないことも含め、「ハードルが高い」と思われていたのです。この数か月間で『新しいカギ』がそんなムードを変え、今なお勢いを増しているだけに、今後も学校や学生にスポットを当てた番組は増えていくのではないでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。