「冷感タオル」は“使いすぎ”に要注意だ。水で濡らして使用するタイプと、水で濡らさずとも触れるだけでひんやり感を得られるタイプがあるが、どちらも扱い方に気をつけたい。
「洗わずに繰り返し使ったり、長時間使用したりしていると、雑菌が繁殖して不衛生になる。特別な糸と編み方で作られているものが多いので、購入の際は自宅で簡単に洗える製品かどうかを確認し、まめに洗って使うようにしましょう」(佐々木さん)
子供たちが使う「冷感グッズ」にも危険は潜んでいる。冷蔵庫や冷水で20〜30分冷やすだけで何度でも使うことができ、かつ首からかけるだけという扱いやすさが人気の「アイスネックリング」や「クールネックリング」。いまや子供たちの必需品になっているが──。
「液漏れする事例があるようです。アイスリングやクールリングに使われているPCM素材が長時間皮膚に触れた場合、皮膚かぶれなどの症状が出るリスクがあります。油性成分のため衣服にシミを作ることもあります」(佐々木さん)
前述の「冷感スプレー」は、使い方次第では体調不良のみならず大きな事故につながりかねない。
「暑いからといって、屋外でバーベキューなどをしているときに使用すると、引火する危険性があります。冷感スプレーにはLPGガスやエタノールといった可燃性の成分が含まれているので、ガスコンロや炭火などの近くでの使用は絶対にNGです。
スプレーの噴射部にできる氷状の固体は水分が凍ったものではなく、可燃性のガスが氷状になったもの。いったん引火すると長時間燃え続けてしまいます。やけどをしたときに冷感スプレーをかけるのも、患部の放熱作用を妨げるので逆効果。流水で冷やすのが正解です」(佐々木さん)
誰でも手軽に使える冷感グッズ。しかし、使い方を誤ると熱中症やけが、事故など死に至る取り返しのつかない事態を引き起こす可能性がある。過信せず、正しい使い方を身につけたい。
※女性セブン2023年8月31日号