イラストを見てほしい。どちらが美人に見えるだろうか? 好みの違いはあるにせよ、多くの人が「A」を挙げるのではないだろうか。イラストの鼻から下を手で隠してみるとわかるが、目、鼻の形と位置、輪郭、ヘアスタイルはまったく同じ。違うのは口の位置だけ。それなのになぜ、「B」は残念な印象になるのか。
このイラストを描いたファッションイラストレーターのtica ishibashiさんは、多くの人物イラストを描き、またその過程で美人に見えるメイク方法などを学んだところ、ある法則を見つけたという。
「美人には、目・鼻・口など各パーツの形の良しあしよりも、鼻下からあごまでのバランスが重要だということがわかりました。鼻下からあごまでを3等分し、鼻下から3分の1の位置に口の中心があると美人に見えるんです」(ishibashiさん)
それがまさに、イラスト「A」だ。一方「B」は、鼻下からあごまでを2等分し、その真ん中の位置に口の中心がある。口の位置が数mm下がっただけで、美人のバランスが崩れてしまうのだという。
顔の筋肉を鍛えれば美人は作れる!
ishibashiさんの法則は、多くの人物イラストを描く中で見つけた独自のものだが、実は同様の法則を、デンタル美顔プロデューサーの是枝伸子さんも自らの経験から発見したという。
「私は幼い頃から自分の顔にコンプレックスを持っていたのですが、それが特に大きな劣等感に変わったのは大学時代のこと。男子学生が8割を占める大学の歯学部に入学したところ、明らかに美人への対応が違ったんです。サークルの勧誘は美人に集中し、授業でも美人は男性教師や男子学生が手を貸してくれる。その理不尽さに失望しました」(是枝さん・以下同)
顔の良しあしで人生の損得が決まる……そう思い込んでいたとき、授業で献体の解剖があり、認識が変わったという。
「体や骨格、歯の仕組みを勉強したときに気づいたのは、骨格模型に美人も不美人もない、ということ。皮膚をめくれば顔のつくりは皆一緒なんですよね。でも、明らかに美人・不美人はある。その違いは何だろうと考えたとき、筋肉と皮膚に支えられた目、鼻、口の形やバランスだと気づいたんです」