国内

作家・山内マリコさんが語る、田嶋陽子さんの“かっこよさ”「常に自分らしくあることを体現している」

田嶋さんのシャンソンコンサートでの一枚

田嶋さんのシャンソンコンサートでの一枚

 女性同士で助け合ったり、絆を深めようとする「シスターフッド」と呼ばれる概念が注目されているなか、「憧れの女性」の生き方を参考にする女性も少なくない。作家・山内マリコさんは、田嶋陽子さんについて“人間としてかっこいい”と話します。山内さんが、田島さんの魅力について語ります。

 * * *
 30代のときに読んだ田嶋陽子先生(82才)の著書『愛という名の支配』は衝撃的でした。お母さまとの関係や深い傷になった出来事など、つらい実体験を明かしながらフェミニズムに辿り着いた軌跡がつぶさに書かれていて。女性学の理論というと難しいですが、田嶋先生が苦しみにとことん向き合い、考え抜いた過程が正直に書かれていたので、スッと腑に落ちたんです。

 私の世代は、中高生の頃に『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)を見ていたのですが、そこでの田嶋先生は男性論客に噛みつきバッシングされる役回りを課されていました。改めて当時の番組を見直すと、田嶋先生は常に冷静で理路整然。なのにヒール(悪役)に見えるような意地悪な演出をされていたことに気づきました。

 2019年にフェミニズム雑誌で責任編集を務めることになり、もともと田嶋先生のファンだった作家の柚木麻子さんと「We LOVE田嶋陽子!」という特集号を作りました。いまの若い女性たちが純粋に憧れられる、“かっこいいフェミニスト”のロールモデルになってほしい、誤解されたイメージを刷新したいと思ったんです。

 初めて会った田嶋先生はとにかく「かっこいい」の一言。女らしさや男らしさを超越した「田嶋陽子」そのもので、最初から心をオープンに話してくださいました。へりくだった言い回しはせず、「男はズルいのよ」の一言で既得権益にあぐらをかく世のオジサンたちをスパッと斬る。その姿はまったく裏表なく公明正大、著書の内容ともテレビでのお話とも一致していて、そこにもすごく敬意を抱きました。メディアに出ているかたで、オンとオフでここまで言動がブレないかたって、いないんじゃないかと思います。

「部屋の写真を撮らせてください」とお願いすると「散らかっているからイヤ」と一瞬で切り捨てられる一幕もあって……(笑い)。愛想笑いで誤魔化したり、断り切れずに嫌々引き受けてしまう、なんてことがないんだなぁと。人にどう思われても構わない、常に“自分らしくある”ことを体現されていました。

関連記事

トピックス

百合子さまは残された3人の仲を最後まで気にかけられたという(2023年6月、東京・港区)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン