堺雅人主演の日曜劇場『VIVANT』(TBS系)が今クールの話題を独占している。豪華キャストに加え、2か月半に及ぶモンゴルロケなどで1話あたりの制作費は相場の3倍以上の1億円ともいわれている。8月27日放送の第7話の平均世帯視聴率は14.1%で今年のドラマの首位をキープ。出演者、制作陣も鼻が高いだろう。この『VIVANT』の勢いに続くべく、10月スタートの日曜劇場『下剋上球児』も目玉を用意しているという。
鈴木亮平が2年ぶりに日曜劇場の主演を務める同作は、高校野球を通じて、現代社会の教育や地域、家庭が抱える問題や愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント──という触れ込み。『VIVANT』の大ヒットで日曜劇場への注目度が高くなり、同作も関心を集めるのは必至だが、TBS局員は同情的な視線を送る。
「『VIVANT』は『半沢直樹』シリーズを担当したTBSのディレクター福澤克雄氏が脚本を務めています。その福澤氏が来年定年を迎えるため、“最後の作品”として、豪華キャストを押さえ、異例ともいわれる莫大な予算が下りたわけです。毎回、日曜劇場がこれだけ豪華に作れるわけではありません。とはいえ、こうした事情は視聴者には関係ない。後番組である以上、『下剋上球児』はどうしても『VIVANT』と比べられてしまう」
だが、制作陣としてもただ手をこまねいているわけにはいかない。テレビ業界の間で、「『下剋上球児』もしかけてきた」と話題になっていることがあるという。
「同作のロケで甲子園球場の使用許可が降りたんです。業界では、甲子園はドラマや映画で使用するのが難しいロケ地として有名で、ドラマではこれまでに使用できたのは山田孝之主演の『H2~君といた日々』(2005年、TBS系列)が1日だけという狭き門。同じく高校球児の青春を描いた大人気ドラマ『ルーキーズ』(2008年、TBS系列)では、続編の映画も(2009年)含めて作中では一度も使用できなかった。今回、ドラマで約20年ぶりに使用できるうえ、ロケは複数日行なう予定だと聞く。『よく口説き落としたな』と話題を呼んでいます」(キー局ディレクター)