14位の「SSRI」も同様だ。重篤な副作用こそないものの「効かない」薬にも多くの医師たちは懐疑的だ。あいこ皮フ科クリニック院長で美容皮膚科医の柴亜伊子さんは「いまの時代に風邪で総合感冒薬を処方する医師は信用できない」と一刀両断する。
「薬で風邪は治らないことは周知の事実であるはずなのに、いまでも処方する医師は珍しくありません。しかも総合感冒薬は風邪に伴う諸症状に効くように、解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン薬など複数の成分が配合されているので、不要な成分が体内に入り副作用が出るリスクが高い。もし風邪のつらさを軽減したいなら、解熱剤、せき止めなど、症状に合わせた薬をのむべきです」
「新薬の罠」にダマされてはいけない
のめば依存のリスクがあり、副作用に体を蝕まれて効果は薄い──そんな「処方されたくない薬」を避けるためには何が必要か。松田さんは「むやみに薬を欲しがろうとする姿勢から改めるべき」と話す。
「診察だけで薬を処方しなければ、不満に思う患者がいるのも事実です。診察時間は限られているので、さっと薬を出した方がお互いのためというふうに考える医師も多い。
まず患者としてすべきなのは、どんな薬にも副作用があって、害があることを知ることです。薬の副作用は無限にあり、頭痛や便秘など軽微なものは見逃されやすい。医師もすべての副作用を覚えきれません。疑問に思う症状が出たら、ネットなどで副作用を調べて、医師に確認してみることです」(松田さん)
だが実際には、よほど打ち解けた間柄でなければ、わずかな診察時間で医師に意見を伝えられる人は少ないだろう。実際、薬の話を出すと、嫌な顔をされることもある。
「主治医に確認しても納得のいく返事がなかった場合は、病院を変えるのもひとつの手です。副作用を勘案せずに、安易に長期間にわたって必要もない薬を処方されている患者さんから相談を受けるのは日常茶飯事です。
また、新薬ばかりすすめる医師も病院を変えるひとつの理由になると思う。ワクチンも含めて、『新薬=魔法の薬』と報道されがちですが、少人数を対象とした治験では出てこなかった副作用が隠れている可能性が高い。効かないだけならまだしも、予想外の副作用や合併症で命にかかわる場合もあります」(柴さん)
薬も過ぎれば毒となる。処方された薬をいま一度、見直してみよう。
※女性セブン2023年9月14日号