時代劇シリーズ『水戸黄門』(TBS系)や『必殺仕事人』『侍戦隊シンケンジャー』(テレビ朝日系)、映画『仁義なき闘い』シリーズなど人気作に多数出演し、幅広い年齢層のファンを獲得してきた伊吹吾郎さん(77)。俳優としての寡黙で質実剛健なイメージとは異なり、バラエティでは“かわいいオジサン”として人気を博した。NEWSポストセブンがその素顔に迫った。【全3回の第3回。第1回から読む】
孫がプロボクサーデビュー戦を飾りニコニコ
実は、孫の遼平さん(27)がこの5月、ボクシング・東日本新人王ミドル級4回戦に出場し2回TKO勝ちをおさめたことがニュースに。遼平さんにとってプロデビュー戦で、伊吹さんはリングサイドで孫の戦いぶりを見守っていた。
「ボクシングの試合は、これまでも何度かリングサイドでちょこちょこ観戦したことがあったのですが、いざ身内の試合となるとまったく違いますね。殴られているのを観るのが辛いし、胃がおかしくなりそうで、早く試合が終わってくんないかな、と祈る思いでした」
そう言いつつ、顔がほころんでいる。自慢の孫なのだろう。
23歳のとき、時代劇『無用ノ介』(日本テレビ系)の主役で、華々しく本格デビューした伊吹さんは、翌年、24歳のとき一般女性と結婚。1男1女に恵まれた。遼平さんは長女の長男にあたる。
「試合直前まで、プロボクサーになったなんてまったく知らなくて、試合間近になって聞かされ驚きました。それまではラグビーや野球など団体競技ばかりやっていた子だったのに、『個人競技でどれだけやれるのか、挑戦してみたい』という発想だそうです。
長女には男の子がもう1人いて、次男はおっとりした性格でね。沖縄でダイビングのインストラクターをしています。沖縄が気に入って、行きっぱなしなんですよ(笑)」
伊吹さんの子や孫をかわいがる思いは、孫の遼平さんの入場シーンでも溢れていた。遼平さんが出場したボクシングの試合でのこと。『水戸黄門』の主題歌「ああ人生に涙あり」に合わせて入場すると、黄門さまの印籠を持った伊吹さんとツーショットで観客を驚かせた。
「『ああ人生に涙あり』は人生の応援歌。遼平はプロボクサーとしてはまだまだこれから。9月15日には、俳優・赤井英和さんの長男・英五郎選手と対戦しましたよ」
一方で長男の康太郎さんには女の子が1人いて、孫は合計で3人。康太郎さんは以前、俳優をしていたが、現在は別の仕事をしているそうだ。
「子どもたちが幼い頃、僕は撮影で京都にいることが多かったので、家族には申し訳ない、という思いがありました。だから、せめて子どもたちの学校行事──授業参観や運動会、“お父さんと歩こう”イベントなどには率先して参加していたんですよ。平日に行われる行事だとほかのお父さんは参加できないのに、僕はいつも参加しているものだから、ほかの家のお母さんに羨ましがられたそうです」