さらに術後翌日が最も腫れるが、瞼を頻繁に動かすようにすれば腫れは徐々に引き、2週間ほどで対面の仕事が可能なまでに回復していく。また術後2週間から6週間頃に傷が固くなってしまう。その際、ミューラー筋のセンサーの引っ張りやすさを維持するため、瞼を大きく動かし続けることを心がける。
「ミューラー筋センサーの感度調整が整えば患者さんの頭痛や肩こり、眼精疲労、不眠、不安などの不定愁訴は、すぐに解消されます。ただ改善しない場合もあり、それは瞼を開けるのを妨げている眼輪筋などの抵抗組織の減量が足りないことが考えられます。眼瞼痙攣などがあるケースでは手術しても症状の解消に時間がかかります」(松尾院長)
日常、目を開けていると疲労を感じたり、頭痛や肩こりなど不定愁訴で悩んでいたら、まずは眼瞼下垂を疑い、専門医のもと適切な検査を。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2023年10月6・13日号