国内

公明党、秋の総選挙に向け7月から本格的な準備「岸田首相が減税を掲げるなら戦える」の判断

岸田文雄・首相と公明党は減税解散でガッチリ手を握った?(写真/EPA=時事)

岸田文雄・首相と公明党は減税解散でガッチリ手を握った?(写真/EPA=時事)

 岸田文雄・首相が唐突に「成長の成果である税収増を国民に適切に還元すべきだ」と、“減税”の経済対策を指示した。人気取りの減税路線へと舵を切ったのには大きなきっかけがあった。

 首相の元に、自民党が9月中旬に行なった極秘の選挙情勢調査の結果が報告されたのだ。内容は衝撃的なものだったという。官邸官僚が語る。

「自民党の予想獲得議席は最悪のケースで220議席で単独過半数割れ。公明党も最悪2桁減らす可能性があり、自公合わせてなんとか過半数(233議席)を維持できる程度という内容だった。一番議席を伸ばすのは日本維新の会だが、立憲民主党も増えるので野党第1党は変わらない。調査は各選挙区の情勢をかなり厳しめに見積もったというが、それにしてもひどい数字だから、影響の大きさを考えて調査結果は党内にも漏らさない扱いとなっていると聞いている」

 とても解散などできそうにない数字だが、それでも首相は解散を諦めきれない。そこで首相は冒頭で触れたように9月26日の閣議で、増税路線から減税への転換を指示したのだ。

「減税を掲げるなら戦える」

 岸田首相の減税解散を後押ししているのが、こちらも苦戦が予想されている公明党だ。公明党は最大地盤である関西の6選挙区に勢いのある日本維新の会が対立候補をぶつけてくることから、次の総選挙は「背水の陣」の戦いを迫られる。早期解散は望んでいないと思われていた。

 だが、山口那津男・代表は9月はじめに首相との間で東京での自公選挙協力を復活させることで合意すると、党内に「全力で準備」を指示し、関西6選挙区では公明党の現職議員が〈岸田首相、山口代表、本人〉の顔写真が並ぶ3ショットポスターを貼り巡らすなど急ピッチで選挙準備を進めている。

 さらに9月23日には、山口氏が街頭演説で「岸田首相から『そろそろ解散したい』と言われた時に、与党がまだ準備できていないと言っていたのではチャンスを失う」と“解散望むところだ”の決意まで示した。なぜそれほど前向きなのか。公明党関係者が言う。

「公明党と支持母体の創価学会は4月の統一地方選が終わった後、7月から10~11月の解散総選挙を視野に本格的な総選挙準備を進めてきた。いったん総選挙シフトを敷いた以上、解散先送りは組織的にもたないという事情がある。苦戦は覚悟の上だが、岸田首相が減税を掲げるなら戦えると判断している」

 岸田首相と公明党は、有権者に「減税」の餌を撒くことで苦戦を挽回しようという思惑で一致し、減税解散でガッチリ手を握ったことがわかる。

関連記事

トピックス

フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
新年度も順調に仕事を増やし続けている森香澄
《各方面から引っ張りだこ》森香澄、“あざとかわいい”だけじゃない「実はすごいアナウンス力」、「SNSの使い方はピカイチ」
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン