腎臓が痛む
鎮痛薬は頭痛以外にも処方される。自覚症状が現われやすい腰や膝の痛みを和らげるために整形外科で処方されることが多いが、“その場しのぎ”の服用はリスクを伴う。久我山整形外科ペインクリニック院長の佐々木政幸医師が語る。
「ご年配の方はジクロフェナクナトリウムなど非ステロイド性抗炎症薬を処方されることが多いのですが、相性が悪いと胃潰瘍や腸炎などの胃腸障害が現われることがある。私が知るなかでも、こうした薬を長期間飲み続けた結果、腎臓に痛みが生じたという話があります」
痛みを抑える効果が実感できなければ、「断薬」が選択肢となる。
「2週間程度飲んでも効果を感じられない場合は、服用をやめることを検討すべきです。長年飲み続けている人は、別の対策がないか主治医に相談してもいいでしょう。そもそも鎮痛薬は対症療法でしかなく、慢性的な痛みを解消するためには根本的な治療法が求められます」(佐々木医師)
肩や腰は、運動などの対策で改善されることもある。鎮痛薬に頼らないようにするためには「日頃の生活の見直しが大事」と佐々木医師は説く。
「ずっと同じ姿勢をとっていることが痛みの原因であるケースも多い。体の各部分に負担がかかり、血流が悪くなるからです。首や肩、腰はこまめにストレッチして動かすだけでも血流の改善につながるので、取り組むようにしましょう」
薬に頼るだけでなく、根本的な解決のために健康な生活を心がけなくてはならない。
※週刊ポスト2023年10月20日号