国内

暴力団幹部が明かす「還付金詐欺」で騙される仕組み 今増えているのは“期間限定”で迫る「マイナポイント詐欺」

特殊詐欺防止キャンペーンがたびたび実施されているが、被害は後を絶たない(イメージ、時事通信フォト)

特殊詐欺防止キャンペーンがたびたび実施されているが、被害は後を絶たない(イメージ、時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、激増する特殊詐欺「還付金詐欺」と「マイナポイント詐欺」について。

 * * *
 特殊詐欺にも色々あるが、その中で何が一番稼げるのかと関東を拠点に活動する暴力団の幹部に尋ねてみた。「俺たちはやっていないがね」と前置きした上で彼はこう答えた。「還付金詐欺だ」。

 還付金詐欺は確かに増えている。独立行政法人国民生活センターによると、2022年度の還付金詐欺の相談件数は、過去5年間で最高となった。被害者の95%が60歳以上だという。長野県では2023年1月から9月までの間で、前年の4倍以上の26件の還付金詐欺が発生。被害者の9割が60代だ。札幌市では10月、医療費の還付金があるという市役所職員を名乗る男性からの電話で、60代の女性が196万円をだまし取られ、兵庫県でも医療費の還付金があるという市役所職員を名乗る男性からの電話で70代の女性が111万円をだまし取られている。

 警視庁・特殊詐欺対策のホームページによると、還付金詐欺とは自治体、税務署、年金事務所の職員などと名乗り、医療費・保険料の過払い金や、一部未払いの年金があるなど、お金を受け取れるという内容の電話をかけてきて、被害者が犯人の指示通りにATMを操作すると、実際には犯人側の口座にお金が振り込まれるという詐欺だ。払い戻しには期限があると焦らせたうえで、今すぐ携帯電話を持って近くのATMに向かうよう指示するというのだ。

 ここ数年、還付金詐欺が増えている背景には、コロナ禍での政府による対策の影響があると幹部はいう。「還付金詐欺は流行り廃りがないんでね。医療費や税金は誰もが毎年支払うものだからな。それにコロナ禍で政府が様々な還付金や給付金を打ち出しただろう。誰がもらえるのかわかりにくいと批判されたものや、手続きが面倒そうなものもあった。名前は聞いたことがあるが、内容や手続きがよくわからない、こういった還付金は、特殊詐欺グループの格好のネタになるわけだ」。

 年を取るほど、税金や保険料などをたくさん支払ってきたという意識があることも、還付金詐欺につながるようだと幹部は話す。

「思いがけなく返金される、還付されると聞けば嬉しくなるものだ。払いすぎていたんだ、還付してもらえるお金があったんだと素直に思ってしまうんだな。だけど期限が迫ってますよと言われれば、せっかくお金をもらえるチャンスをふいにしたくなくなる。詐欺を行うヤツらは、急いで手続きしなければと思い込ませるのがうまいんでね。1件当たりの金額はオレオレ詐欺や投資詐欺ほど大きくないが、詐欺グループにとって成功する確率が高いのが還付金詐欺だろう」(暴力団幹部)

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン