2020年を最後に休止している大晦日特番『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ系)の放送が今年も見送られることが判明。視聴率争いで『NHK紅白歌合戦』が圧倒的に優位に立つなか、民放トップの座を守り続けてきた人気シリーズが消滅の瀬戸際に立たされている。
『笑ってはいけない』の大晦日特番は2006年にスタート。歌番組や格闘技がしのぎを削る激戦区で、安定して15%以上の視聴率を取る人気番組だったが、複数の事情から休止が続いている。
「1つはコロナです。2020年にコロナ感染が拡大すると、紅白は無観客での開催を決める一方、『笑ってはいけない』は万全のコロナ対策のもとで収録を実施。しかし放送後に松本人志はTwitterで、『コロナ禍での収録は難しい』『クオリティーを下げてまで番組を続けるのは心がイタい』との感想を漏らしました。
2020年に放送内容が事前にリークされる“事件”が発生し、松本が激怒したとも報じられ、一部がお蔵入りになりました。
そして決定的だったのはBPOからの通達です。2022年4月にBPOは、『痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ』への見解を発表。その内容は、『笑ってはいけない』を名指ししたにも等しいもので、『青少年が模倣して、いじめに発展する危険性も考えられる』『いじめ場面の傍観を許容するモデルになることも懸念される』と指摘しており、こういった事情が絡み合って再開が難しい状況になっていると言われています」(テレビ情報誌記者)
テレビ業界では近年、急速にコンプライアンスへの意識が高まり、お笑い芸人の尻を棒で思い切り叩き、彼らが大声をあげて痛がる姿を延々とテレビで流すのはいかにも難しそうだ。
『週刊現代』(2023年11月4日号)は、《罰ゲームに対しテンションを維持できない》《制作スタッフは最後まで懸命に説得に当たっていましたが、結局は翻意できなかったようです》
という関係者のコメントを紹介し、ダウンダウンのモチベーションの低下が大きな理由であると報じた。いくら人気番組といえども、コンプライアンスにそぐわなければ放送休止はやむを得ないが、これだけの人気シリーズは永遠に封印されてしまうのか?