「骨盤を垂直に立てるために、坐骨座りをサポートする椅子が開発されました。そのアーユル・チェアーは座ったときに自然と坐骨の中心が座面に着く構造になっています。背もたれは骨盤の高さとほぼ同じで、後ろから骨盤をしっかり支えます。座面は左右が少し窪んでいて、そこに坐骨が無理なく収まり、座面に正確に当たるよう設計されています。腰痛のリハビリ中の患者さんに座ってもらったら、背筋が伸びるのを実感してもらえました」(吉原院長)
腰痛以外にも骨盤が正しく垂直に立つと、繋がる脊椎が理想的なS字カーブを描き、筋肉の緊張が緩み、深い呼吸も可能になる。その結果、酸素が十分脳内に供給されるようになって集中力が増すという研究結果が報告されている。
すでに慶応高校を始め、多くの学校では集中力を要するパソコンを使用しての授業などで、この椅子が効果を発揮している。なお、椅子はネットでも購入できるが、まずは専門医を受診し、自分の骨格や状態に合ったタイプを選択するのがベストだ。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2023年11月17・24日号