結局、筆者から金を騙し取ることもできず、偽広告を使ったお粗末というしかない犯行ではあった。だが、SNSという拡散力が強いツールを使っている以上、接触したことがある日本人ユーザーの延べ人数はかなり多いはずだ。母数が多ければ、そこから少なからず信じてお金を出してしまう者がいるからなのか、こうした偽広告が今なお増え続けていることは決して看過できない。
作りが粗く、言葉を選ばずに言えば「笑って見ていられる」ような偽広告は、技術が発展すれば、そのうち本物か偽物か見分けがつかない精巧なものになることは明白だ。一刻も早く法整備をすすめたり、市民のリテラシー向上に力を注がないと、我々の平穏な生活はフェイクによって潰されかねないのである。