国内

不祥事や失言が相次ぐ政務三役人事 任命責任問われた岸田文雄首相に「不作為バイアス」の疑い出る

参院財政金融委員会を後にする神田憲次財務副大臣(当時、中央)。11月9日(時事通信フォト)

参院財政金融委員会を後にする神田憲次財務副大臣(当時、中央)。11月9日(時事通信フォト)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、岸田文雄首相が見せる「不作為バイアス」傾向について。

 * * *
 岸田首相のいう「適材適所」が再び問題視されている。神田憲次財務副大臣が13日、辞任した。それを受けて取材に応じた首相は、任命責任を問われても「重く受けとめている」と答えただけで、「人事は適材適所で行わないといけないと思っているが、政治というのは結果責任だ」と苦い顔をした。結果責任という言葉が妙に引っかかった。

 辞任した神田氏は税理士。財務副大臣の任命も税理士だからと思えば適材適所といえた。世間も税理士としての職業倫理、プロフェッショナルなあり方に期待しただろう。だが神田氏は自身が代表取締役を務める個人会社が地方税の滞納を繰り返し、その会社が所有する名古屋市のビルが、過去4回に渡って差し押さえを受けていた。

 疑惑が明るみに出て、記者たちに囲まれるようにマイクを向けられた神田氏は、事実関係について聞かれても「記事の中身もこれから精査しますから」と目をパチパチさせながら憮然とした表情で答えた。瞬きの多さは疑惑が事実だと印象づけた。税制を扱う省庁の副大臣としてどうなのか、滞納の事実があったのかという問いには無言のまま、車に乗り込んでしまった。

 9日の財政金融委員会では、一転「差し押さえを受けたことがあるのは事実です」と視線を落とし、わざわざ書面を読み上げ認めた。「差し押さえするまでなぜ放っておいたのか」という立憲民主党の勝部賢志議員の質問に「衆議院議員としての職責を全うするというところに当然比重があり、業務多忙でなかなかその辺について関知することができなかった」と言い訳をした。自らの進退については「引き続き職務の遂行に全力を傾注する」と述べた。彼の職業倫理はどこにいったのだろう。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン